海外旅行や留学では、屋外では危険を感じることがあり、室内に入るとほっとすることがあると思います。
しかし、安全と思いがちな室内ですが、出入り口のセキュリティーが甘く、犯罪者の侵入を許してしまうことがあります。
学生寮であれ、ホテルであれ、犯罪者は様々な方法で侵入してきます。目的は、物を盗むだけでなく暴行もあります。特に女性の方は注意が必要です。
学生寮に忍び込む犯罪者たち
留学で滞在する学生寮は、原則、そこで生活している学生しか入れないようになっており、寮全体の入り口はセキュリティがしっかりしていることが多いです。
しかし、セキュリティをすり抜けてくるのが犯罪者ですし、学生寮に住んでいる学生が友人知人を招いたりすることで、不特定多数の人が入り込むことがあります。
男性寮や女性寮というように男女がきっちり分けられていることがありますが、同じ階に男女の学生が住んでいる学生寮もあります。
私が滞在した10階建ての学生寮では、各フロアに20部屋ほどあって、部屋1~10番は女性、11~20番は男性というような区切りになっていましたが、同じフロアで男女の行き来が普通にありました。皆仲が良かったです。
男女別の共用シャワールームもありましたので、バスローブやラフな格好で廊下を歩いている女性は見慣れたものでしたが、殆どの学生はあまり危険には感じていなかったと思います。
また、別の学生寮では、偶数階は女性専用、奇数階は男性専用とはなっていましたが、エレベーターや階段は共用でした。男性が女性の階に行くのは少々勇気がいりましたが、特に出入りを禁止されているわけでもないので、友だちの部屋には普通に行き来していました。
アメリカでは自由がある分、リスクもあります。別の大学で友人が滞在していた学生寮では、不審者が侵入して事件が起きました。みんなが楽しく過ごしていた場所が一瞬にして崩壊し、次々と学生がその学生寮を去っていったそうです。
学生寮の入り口は、入寮している学生が鍵やカードでしか開けられないようになっている前提なので、各部屋については鍵はぞれぞれ付いているものの、それ以上のセキュリティが考慮されていないケースがあります。
アパートには来客者を確認する「除き窓」が玄関ドアに付いていますが、学生寮の個人の部屋には付いていないことが多いようです。
友人が来たと思ってドアを開けたら、知らない人が立っていたのでは遅いかもしれません。
その大学やカレッジなどに通っている学生しか入れないことを前提としていますし、火事や災害のときは全員が避難したかを確認するため、セキュリティ担当者などがマスターキーで各部屋内を確認することがあるため、ドアチェーンが無いことがあります。
そこで、ドアストップ(ドアの下につっかえ棒のようにして使うもの)といったものを付けてドアが一定間隔以上開かないようにしておくのも1つの安全対策です。
学生寮に限らず、ホテルやホームステイの部屋でも何が起こるか分からないので、こういったドアストッパーやアラームは手軽なセキュリティ対策になります。
ホテルは必ずしも安全ではない
安全と思いがちなホテルでも、案外誰でも中に入れてしまうホテルは多いようです。
有名なホテルでも、カギをしっかり変えていないケースがあり、合い鍵を作った前の泊まり客に襲われた女性もいてニュースになったことがあります。
近年はカード式の鍵が増えて安全性が向上されているところが多いですが、スタッフ用のカードキーでも部屋に入れるため、内部の者が絡んだ犯罪もあって100%安全とは言えない状況です。
ホテルのスタッフが誤って入ってしまったといった言い訳を聞くことがありますが、夜中に勝手に部屋に入ってこられるケースは犯罪と言ってもいいレベルでしょう。
ドアにロックをかけることができる小型のディバイスがあります。こういった安全グッツを旅行に持っていく方法もあります。
ドアロックの使い方動画↓
ホテルでは、ドアチェーンやドアガードはしっかりかけておきましょう。しかし、ドアガードだけでは十分とは言えないこともあります。ドアガードにハンガーを引っかけて開けにくくする方法もあります。
椅子の背をドアノブの下入れて、椅子を立てかけるようにしておくと、ドアが外から開けにくいことがあります。
また前述のドアストッパーもあると便利です。
↓動画のように、ドアガードが簡単に外されてしまうケースもあります。
ルームサービスを偽った犯罪
犯罪のニュースでよく聞かれるのは、ルームサービスを装って部屋に入って犯罪を起こすケースです。
知らない人がドアを叩いている場合は、特に心当たりがなければ無視でもいいと思います。気になるようでしたら、フロントにまず連絡しましょう。火事のような一大事にはアラームが鳴るはずです。
重要な用事があるならフロントから電話がきたり、ホテル出入りの際にフロントで呼び止められたりしますのでそのときに対処すればいいでしょう。
ルームサービスと言われると確認もせずにドアを開けてしまい、犯罪の被害者になってしまうケースがアメリカでは多くありますので気をつけてください。
どうしても気になるのであれば、ドア越しに話ができると思いますので、わざわざドアを開けて対面で話をする必要はありません。
ドアを開ける必要がある時には、必ずチェーンをしたままでドアを開けてください。ただ、ドアチェーンやドアガードは思っているほど丈夫ではないことがあり、体当たりで簡単に外れてしまうこともあります。
不審な点があれば、まずフロントに電話してみてください。フロントで誰もそちらには行っていないという話なら、セキュリティを呼ぶようにフロントに依頼してください。
忘れ物や宅配等のお届け物だと言って何かを持ってきてくれていた場合、ドアガードをした状態で伝票を受け取ってサインをして、ドアの前においていってもらう方法があります。もっと安全な方法は、フロントに預けておいてもらう方法です。
本来のルームサービスではない時、ドアを開けて荷物を取ろうとした瞬間、隠れていた犯罪者が飛び込んでくることも考えられます。
自分で頼んだ記憶がないのであれば、不用意にドアを開けないようにしましょう。受け取る必要があるならば、フロントに預けてもらって後から取りに行きましょう。
警報アラームをセットする
合鍵やピッキング等でドアが開けられ、睡眠中に忍び込まれることもあります。これに備えるには、ドアノブに掛けることの出来るトラベルアラームや防犯ブザーなどがあると便利です。
ドアに設置できるアラームは様々ありますが、相手が進入する前にアラームが鳴れば、相手が驚いて逃げるか、こちらでは電話をかけたりトイレに鍵をかけて隠れるなど何かする準備ができるかもしれません。
目覚めたら、知らない人が自分の目の前にいたら大変です。
日本ではまだ、警報器やアラームといった1000円前後の投資が命を救うこともあるという認識が、北米のそれとかなりの差があるように思います。
セキュリティグッツはネット通販でも買えますし、アメリカやカナダではホームセンターなどで見つけることができると思います。
日本は安全な国で、アメリカと比べると犯罪に対する危機感が少ないかもしれません。海外に行く際には、楽しい旅や経験になるように安全面も考慮してください。