高卒認定からアメリカ留学

高卒認定からアメリカ留学留学先の大学・カレッジ選び

高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)があれば、アメリカ留学をはじめ、カナダ、オーストラリア、ニュージランドなど海外の大学に留学することが可能です。

高卒認定では大学留学はできないと言われることがあります。大学によって厳しい入学条件があり、高卒認定では条件を満たさないため入学できないケースがあります。つまり、どの大学でも大丈夫とは言えないわけです。

以前あった大検(大学入学資格検定)は、日本の大学や短大などに受験できる資格であって、アメリカの大学が入学基準としている高卒として認めてもらうのが難しいことがありました。

しかし、大検から高卒認定に変わって、試験制度や資格として分かりやすくなり、海外でも認められやすい環境になっていると思います。

前回、高校中退からアメリカ留学を目指すについてご案内しました。高校を中退して、日本で大学や専門学校に行きたいと思ったら、高卒認定を考える人がいるでしょう。

その中で、アメリカ留学を考える機会があるかもしれませんので、高卒認定とアメリカ留学について考えてみたいと思います。

カリフォルニア

Photo by Mathieu Marquer

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高卒認定制度(旧大検)ってなに?

高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が実施している試験で、高校を中退した人などを対象にして、試験に合格した人に高校を卒業した人と同等以上の学力があることを認定するものです。

高卒認定に合格することで、大学受験できたり、一定の国家資格の受験資格を得ることが可能になります。

今まであった大検(大学入学資格検定)は、これに合格することで、大学・短大・専門学校へ受験できる資格を得られました。しかし、名称の通り、大学等への受験資格を得るための検定であり、高卒程度の学力を証明するものではなかったと思います。

しかし、平成17年から制度が変わり、大学入学資格検定(大検)ではなく、高等学校卒業程度認定試験となりました。合格した人は、教育制度の中では高卒と同等に扱われるようになったのです(就職や社会生活の中で高卒と扱われるか否かはその時々によります)。

 

高卒認定から大学留学する条件

アメリカの大学の中には、高校卒業と同等の資格や証明があれば、入学を認めてくれるところがあります。

日本の大学や専門学校などの受験応募要項の中で、「高校を卒業した者、または、これと同等以上の学力を有すると認められる者」といったことが応募資格として上げられています。アメリカでも同じような制度があると考えると分かりやすいでしょう。

高卒認定が、アメリカの大学でも高卒同等として認めてもらえれば、入学条件の一つを満たすことになります。

ただ、高卒認定だけではその学生の実力がわからないため、ACTやSATのテストを受けて、その結果を提出することを求められることがあります。TOEFLやIELTSといった英語テストも必要です。

また、条件付き入学として、入学後に英語や数学等のテストを受け、それらで合格点を取れない時には、大学付属の大学準備プログラム(後述)または高校卒業資格コースなどへ変更させられることがあります。入学を取り消されてしまうときは、コミカレなどに転入することになるでしょう。

大学付属の大学準備プログラム(University Preparation ProgramsやFoundation Programs)が設けられている際には、まずそちらに入学することがあります。

大学準備プログラムは、予備コースであって正規学部ではありませんので、正確には大学に合格したとはいえませんが、一歩手前まできているというところです。

大学準備プログラムの中では、英語、数学、物理等といった基礎課目以外に、ライティング、スピーチ、提出物の作成方法、ノートの取り方など大学で必要なスキルを学ぶことになります。

そして、大学が指定する規定の成績で終了することができれば、晴れて大学の正規学部へ入学することになります。学生の習熟度によりますので、半年程度で正規学部へ入れるケースから、1年くらいかかることがあります。

 

高卒認定と大学留学の壁

高卒認定を使って入学を断られる可能性がある大学は、入学の難しい有名大学をはじめ、入学審査において柔軟性のない大きな総合大学などがあります。

有名大学の入学基準には、「高校の成績が上位5%以内である」といった項目があります。

GPAと呼ばれる総合平均成績で、4段階で3.25以上が入学最低ラインであるというように指定している大学は珍しくありません。

高卒認定によって高卒の資格があると認めてもらえても、通っていない高校の成績までは提出できません。このため、その大学の入学基準を満たさない、または、実力を判定するため別の試験を課せられる可能性があります。

申込人数が膨大な総合大学では、第一次審査的なところで、成績などの数字を基に振り落とされてしまうことがあるため、高校の成績を出せないことは非常に不利になることがあります。

大学によっては、部活やボランティア活動などで得た体験や受賞といった高校での活動内容、高校の先生からの推薦状なども、入学審査の重要なウエイトを占めます。

高校に通っていない、または、中退してしまうと、高校での活動はありませんし、推薦状を得ることも難しくなります。

 

高認を認めてくれる大学を探す

強引に入学申込をしても申請料を損するだけですので、まずは希望大学へ連絡をして、高卒認定が認めてもらえるか確認しましょう。

高卒認定の合格証明書や合格成績証明書は、文部科学省で英文の証明書を発行してくれます。

どう説明するか困ったら、ウィキペディアの高卒認定(英語版)の解説を参考にしてみてもよいでしょう。

入学審査担当者が日本の教育制度に詳しくないかもしれませんので、単に高卒認定が認められるか否かの問い合わせではなく、英文の証明書類のコピーも添えて、高卒認定制度の内容を英文でしっかり説明した方がよいと思います。

大学側から高卒認定を認めてくれるという手紙やメールがきたら、必ず保管しておいてください。アメリカでは、担当者によって少なからず対応が異なることがありますので、万が一のために備えておく必要があります。

現状では、大学入学は難しいということで、同じ州内にあるコミカレを紹介してくれることもあると思います。大学の勧め通り、大学へ直接申込むより、入学基準の低いコミカレにまず入って、編入学で大学へ申込んだ方が入れる確率が高くなることがあるでしょう。

 

コミカレに行くことで大学留学への道が広がる 

アメリカのコミカレでは、大学ほど入学審査が厳しくありません。このため、高卒認定が認めて貰える確率が高いと思います。

もし、学力が足りないと判断されても、高校卒業資格コースやカレッジ準備コースがあるコミカレであれば、そこで足りない分を補充して次のステージに進むことができます。

普通に高校を卒業した学生でも、まずはコミカレに入学して、1~2年後に希望大学へ編入するプランを選択する学生が多いのが現状ですので、特別なものではありません。

コミカレで良い成績を残せば、それを基準にして大学入学の審査が行われます。

コミカレでは大学の1~2年生レベルの教科を学ぶため、大学編入に際してACTやSATのテスト結果提出が必要ないケースが多いです(TOEFLやIELTSといった英語のテストは必須)。

アメリカの大学は、日本と違って一発勝負ではありません。色々と方法を探ることが可能です。

 

留学に高卒認定は必要ではない

高卒認定というのは、日本での進学や就職に必要なもので、留学に必ず必要な資格ではありません。

これから高卒認定を受験する準備段階であれば、米国に渡って、アメリカの高卒資格を得た方が、留学としては選択肢が広がると思います。

留学するのか、日本の大学や専門学校等に行くのか、はっきりしないと決まらないと思いますが、高卒認定試験、高校留学、そして、コミカレの高校卒業資格コースなども検討してみてはいかがでしょう。詳しくは、高校中退からアメリカ留学を目指すのページを参考にしてください。

高卒認定にすでに合格している、または近い将来に合格できればそれに越したことはありません。高卒認定に合格すれば、日本の大学や専門学校への道が開かれます。もし、留学できなくても日本で進学する道は残されます。

ただ、留学には費用の問題の他に、「今行かなければ、来年にはもう行けない」という自分の人生プランの時間や年齢的な制限が生じることがあります。留学には大きな意思決定と一瞬のチャンスを掴むような判断が必要になることを覚えておいて欲しいと思います。

 

日本の大学や短大に進んだ後でも留学できる

高卒認定に合格して、日本の大学や短大へ進んだ後でも留学は出来ます。アメリカの大学の多くは、日本で取った大学の単位を認めてくれて、編入学という形で入学できます。

日本の短大を出てアメリカの大学に編入をして、3年ほどで大学を卒業して帰ってくる方もたくさんいます。

日本の大学で交換留学制度を利用して、提携先であるアメリカなど海外の大学へ留学することも可能です。

日本の大学を休学して、数ヶ月~1年間というように留学することもできます。

専門学校に通ったり、日本で何らかの教育を受けながら、夏休みなどを利用して短期留学することもできます。

留学の期間や形は様々ですので、じっくり検討してください。

 

高校中退する前に。。。

もし、これから高校を中退して高卒認定を目指すというのであれば、まず中退することがすべてに先立ってしまわないように、しっかり将来を考えて欲しいと思います。

もちろん、耐え難い苦痛など心身に関わる一大事であれば、その場(学校)から去ることが最優先されるべきだと思います。

それ以外では、中退した後どうするのかを具体的に計画してから、決断することが大切かもしれません。

可能性は色々ありますので、今の状況に失望したり諦めないで、自分に選択できることや将来の仕事など、様々なことを考えた上で、決断して欲しいと思います。

参考リンク:

高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定):文部科学省による高認試験の案内ページ。受験案内、出願方法、試験日、過去の試験問題などが確認できる。合格証明書・合格成績証明書の申請用紙のダウンロード。

高卒認定ワークブック:高卒認定試験の試験範囲に出てくる重要テーマを単元別に取り上げたシリーズ。英語、現代社会、数学、世界史、国語、日本史、地理等の重要事項、基礎問題、過去問題や類似問題が収録された参考書。

マイナビ進学:国内の大学・短大・専門学校を地域別や目的別で検索できる。留学に興味があれば、語学、外国語、国際、国際関係、留学といったカテゴリーやキーワードで検索してみましょう。

NHK学園高等学校:日本放送協会(NHK)が設立した日本初の広域通信制高校。海外で受講しながらネットでレポートを提出したり、一時帰国の数日でスクーリングに参加して試験を受けることなどで、高卒資格の取得が可能。

UC Irvine University Preparation Programs:カリフォルニア大学アーバイン校の大学準備プログラムに関する案内。

University of Auckland Foundation programmes:オークランド大学(ニュージランド)の大学準備コースに関する案内。

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