アメリカのジェームズ・P・アリソン博士は、2018年、本庶佑教授と共にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
アリソン博士は、テキサス大学オースティン校で学士号(microbiology)を得て、同大学院で博士号(biological science)を取得しています。
患者の役に立ち幸せ 共同受賞のアリソン氏会見
【ワシントン共同】今年のノーベル医学生理学賞を本庶佑京都大特別教授(76)と共に受賞するジェームズ・アリソン米テキサス大教授(70)が1日、ニューヨークで記者会見し「基礎科学者として免疫細胞の働きを知りたくて研究してきたが、結果的にがん患者の役に立てることになって幸せだ」と喜びを語った。~ 共同通信社 2018/10/2 ~
テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)では、2018年にジェームズ・P・アリソン博士、そして、2017年にはマイケル・ヤング博士が、ノーベル生理学・医学賞を受賞しており、2年連続で卒業生がノーベル賞を受賞する快挙をなしています。
テキサス大学オースティン校HPより、ノーベル賞を受賞したアリソン博士の特集記事のページ画像
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参照元:UT Austin Alum James Allison Awarded Nobel Prize
ジェームズ・アリソン博士は、世界トップクラスのがんセンターであるテキサス大学M.D. Anderson Cancer Center(MDアンダーソンがんセンター)の免疫学科主任および執行役員です。
MDアンダーソンがんセンターHPより、アリソン博士のノーベル賞受賞を称える特集記事のページ画像
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参照元:MD Anderson immunologist Jim Allison awarded Nobel Prize
アリソン博士の紹介動画↓↓↓ 患者さんの話やMDアンダーソンがんセンターのことを話されています。本庶佑教授はゴルフが好きでそちらの話題が出ていましたが、アリソン博士はローカルのバンドで演奏をしているそうです。こちらの動画では、ハーモニカを吹いている場面がでてきます。ウィリー・ネルソンのステージでハーモニカを演奏したこともあります。
アリソン博士は、1985年から約20年間、カリフォルニア大学バークレー校のCancer Research Laboratoryで研究をしており、今回の偉業に繋がっているそうです。
カリフォルニア大学バークレー校・バークレーニュースより、ノーベル賞を受賞したアリソン博士の特集記事のページ画像
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参照元:UC Berkeley research led to Nobel Prize-winning immunotherapy
カリフォルニア大学バークレー校のキャンサー・リサーチ・ラボでの取り組みやアリソン博士の研究が紹介されている動画です↓↓↓
2004年、ジェームズ・アリソン博士は、治験やさらなる研究のため、ニューヨークにあるMemorial Sloan Kettering research center(MSK)に移ります。MSKのホームページでも、アリソン博士の記事が出ています。こちらのセンターが基点となり、アリソン博士の治療方法で多くの患者さんの治療に成果を出したそうです。
参照元:Former MSK Immunologist James Allison Wins Nobel Prize in Medicine
ジェームズ・アリソン博士の経歴をたどっていくと、特出した能力や地道な研究が必要なことはもちろんですが、アメリカのような充実した研究施設や資金の重要性を感じます。
アメリカの有名大学や関連機関では研究に注力できる環境が整っており、日本人も含めて世界各国から優秀な研究者がアメリカに集まってきます。
日本では、短期間で成果の出ないものや経済利益に直結しない研究への支援や補助金などが減らされる傾向があるそうです。そんな状況では、日本の優秀な人材はどんどんアメリカに行ってしまうでしょう。
将来、研究者の道を歩みたいと思っている学生さんは、早めに語学力を上げる努力をして、自分の能力が発揮できる、または、自分の研究を認めてくれる国外の大学へ自由に行ける準備をしておいた方がよいかもしれませんね。