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ワーホリ&留学エージェントの違法行為に注意

オーストラリア留学エージェント 留学エージェント

FNNプライムオンラインのニュースによると、オーストラリア留学&ワーキングホリデーをサポートする留学エージェント(株式会社留学のチカラ)が不正を行ったことで、被害を受けている人たちがいるそうです。

この留学エージェントでは、ワーホリ(ワーキングホリデー)のビザ申請を申込者に代わって行う資格がないのにも関わらず、手数料を取って代行しおり、さらに申込者がビザ申請に必要な銀行残高証明書を偽造していた(審査に通りやすい他人の残高証明を名前を変えて使いまわしていた)ケースがあったそうです。

銀行残高証明書の偽造があったケースでは、ワーホリのためにビザを取った日本人の一部が、オーストラリア滞在に必要なビザを取消される事態にもなっています。

【独自】人気の“ワーホリ”でビザ不正申請 他人の「銀行残高」使い回す 代行業者「留学のチカラ」は不正認めるも…“再入国できない”等の被害(FNNプライムオンライン) - Yahoo!ニュース
歴史的な円安で注目を集める“ワーキングホリデー”。 一番人気の滞在先、オーストラリアで起きていたのは、ビザの不正申請トラブルだった。トラブルを起こした業者「留学のチカラ」の代表者は、「イット!」

全国ネットのニュース番組でも放送され、動画ニュースでも出ていましたが、大人の都合で削除されたようです。Youtubeにて「ワーホリビザ不正」といったキーワードで検索してみてください。

留学エージェントの闇

ニュースになった後にこの会社のホームページを見てみましたが、不祥事や違法行為に関する謝罪や説明は見当たりませんでした(2024-09-04)。

オーストラリアワーホリ・留学の無料エージェント|留学のチカラ
手数料なし、到着後もサポート、ファーム手配も可能。充実のサポートでオーストラリア留学やワーホリの準備をお手伝いする留学エージェントです。

まともな会社であれば、ウェブサイトの分かりやすいところに謝罪や事情説明、さらに被害者への対応に関する情報やリンクなどが掲載されるものですが、全くそういったものはなく、何もなかったかのように通常営業している感じでした。

こういった不誠実さが、多くの留学経験者が批判を続ける要因ともなっている、留学エージェントがきな臭いと言われる所以の一つでしょう。

今回違法行為があったワーホリビザの代行に関するページでは、「現在お申し込みを休止いたしております」との記載に代わっており、申し込みができないようになっていました。このページでも不正行為に関する説明等はありませんでした。

取材によると、この会社は代表者一人で運営しているようですが、ホームページでは複数のスタッフが写っているものを掲載しており、正確さを欠く誇張されたイメージ操作をしていたのかもしれません。

手厚いサポートをしているような記述もありますが、単に〇〇についてアドバイスしますとか、〇〇について案内しますといった項目が多く、昨今はネットで出尽くしているような留学やワーホリ関連の情報であり、それが重要なサポートになるのか疑問を感じました。

また、渡航前の英語をサポートをします、帰国後の就職支援をします、〇〇をご紹介しますといった出発前や帰国後に手厚いサポートがあるような案内がありましたが、実際は他社につなげて紹介料や報酬を稼ぐという感じで、それがサポートなの?とちょっと苦笑いしまうところもありました。

このエージェントは現地サポートも行っているようですが、運営者一人が日本にいる状態では、現地での物理的なサポートは不可能ですので、オーストラリアにある他社と契約していると思われます。

近年、留学エージェントは安心安全を強調するために現地サポートを強調するところが増えていますが、実は丸投げで他社に任せているケースも多いです。

細かく見ていくと突っ込みどころが多いですが、楽して留学したい、手間をかけずにワーホリでオーストラリアに行きたいという方にとっては、こういった留学エージェントに惹かれる部分があるのでしょう。

ただ、留学やワーホリに詳しい人や経験者からすると、留学エージェントの一部は情報弱者を手玉にしている印象が否めないです。

 

ビザ申請代行の実態

本来、ビザ申請代行には資格が必要ですが、この会社の代表者はその資格なしに行っていたとテレビ局のインタビューで答えていました。

ホームページを見る限り、オーストラリア政府のビザ申請用ウェブサイトで、申請者本人にアカウントを取得させたうえで、そのアカウントを使ってこの代表者がビザの申請代行をしていたように思われます。これは申請代行というより、いわゆる本人になりすまして申請を行っていたのかもしれません。

ビザ申請に使う大切な自分のアカウントを、他人(留学エージェント)に渡して申請をさせていた人たちも、認識が甘すぎると思います。

この会社のワーホリビザ申請代行のページでは「申請実績は5,000名を超えました!」との記述がありました。代行手数料が4950円ということなので、単純計算で4950x5000=24,750,000になり、この違法行為で約2500万円の収入があったということでしょうか。

オーストラリアの国境警備・移民・ビザ等を管轄するThe Department of Home Affairsでは、未登録の移民エージェント(ビザのカウンセリングや申請代行を行う業者など)を利用しないように注意喚起をしており、違法業者をBorder Watchに通報する制度もあります。

Border Watch Online Report:無許可や違法な移民エージェントを通報するページ

以下のサイトでオーストラリアで登録されている移民エージェントが確認ができるようですので、ビザの相談をされる前にこちらで検索してみてください。

Search for registered migration agents

誰がビザ申請のサポートをできるかというのは、The Department of Home AffairsにあるWho can help you with your application?のページに解説があります。

登録済みの移民エージェントや弁護士を除いて、ビザ申請代行で料金を取る行為は禁止されています。オーストラリアでは、違反者には最高10年の懲役刑が適用されるようです。

Immigration and citizenship Website
Find out about Australian visas, immigration and citizenship.

 

ビザの不正行為は一生ついて回る?

被害にあった方は、この留学エージェントを訴えることも必要かと思いますが、オーストラリア政府に対して、自らが行った不正行為ではないことを伝える必要があると思います。

この留学エージェントはビザ申請代行の資格がないうえで、申込者のアカウントでビザの申請を行っていたとすれば、この留学エージェントの存在はオーストラリア政府は把握していない可能性があります。

システム上は申込者本人がやっていることになるので、結果、罰を受けるのは申込者本人だけで、ビザをはく奪されているという事態になっていると推察します。

このような不正行為でビザが取消された場合、数年間はオーストラリアへ入国できなくなる可能性があります。将来、留学や移住をしたいと思ったときに、新たなビザ申請でマイナス要因になると思います。

また、オーストラリア以外の国でビザを申請する、または他国に旅行するだけでも、こういった違法行為を通知する義務が生じることがあります。

たとえば、ビザ申請や入国審査カードで質問される中には、他国で入国拒否や退去処分を受けたことがありますか?といった項目があります。それらにはYESと答えなければならないケースも出てくると思います。

これが足かせとなって、これから海外に行くたびに、入国拒否されるかもしれないとびくびくしながら渡航することになるかもしれません。

ビザの不正申請をはじめ、ビザのはく奪や取消、それらに関連して入国拒否や退去処分されるというのは、これから海外で活躍したい、海外旅行を楽しみたい人にとっては、一生を台無しにされるかもしれない問題です。

ビザ申請の代行依頼に際して、証明書類の偽造を申請者本人が知っていたのであれば、それは自業自得といわざるをえない部分があります。

しかし、不正を知らなかった、勝手に申請書類を改ざんされたということであれば、早めに対応された方がよろしいと思います。必要であれば、オーストラリアの移民弁護士など専門家に相談されることをおすすめします。

日本では、外国人が就労目的等でたくさん入国してきています。その中には、銀行残高証明書を偽造しているケースがあり、本来なら資金不足でビザ申請が通らない外国人がたくさん日本に来ていると言われています。

彼らは日本に来て、違法に仕事をしたり、盗みや強盗などをする人たちもいます。銀行残高証明書を偽造するというのは、不法滞在者や犯罪者を入国させる手助けをしている行為にもなりかねません。

不法滞在者が増えて、日本各地で犯罪が多発している状況を鑑みれば、日本からオーストラリアに不正な手続きで渡航する人たちを、オーストラリア政府が厳しく処罰するというのも理解できるはずです。

 

会社の所在確認の方法

前出の留学&ワーホリ・エージェントは、ホームページから住所を削除していました(執筆現在)。

過去のウェブサイトを見れるアーカイブで調べると、住所はしっかり記載されており(部屋番号までの記載は無し)、この事態を受けて削除したのかもしれません。

【代行料4,950円(税込)】オーストラリアのワーホリビザ申請を代行 | 留学のチカラ
4950円の代行料で申請を承ります。オーストラリアのワーホリビザの申請代行だけを希望する方へのサポートです。語学学校と同時の申込みで代行料は無料。

テレビ局が突撃取材で行ったところ、住宅マンションの一室だったということで、自宅兼事務所であれば、被害者が集団でやってこられたりしたら困るでしょう。

ホームページでは「来店不要・全国どこからでもご相談にのります」とのPRがありましたが、物は言いようで、元々、来店を予定していない環境での運営だったのかもしれません。

昨今はオンラインでのやり取りが主体で、必要であれば時間貸しのレンタルオフィスで来客を迎えるという方式は珍しくありません。しかし、被害者からしてみれば、不正発覚後にホームページの住所を削除しているあたりから、更に不信感を抱かれてしまうかもしれません。

裁判などの前段階で内容証明といった書類の送付が必要で、この会社の住所を知りたい場合は、国税庁の法人番号公表サイトで会社名を入力すれば確認できます(急な移転などがなければ)。

国税庁法人番号公表サイト
このサイトでは、法人番号の指定を受けた者の1.商号又は名称、2.本店又は主たる事務所の所在地、3.法人番号(基本3情報)を公表しています。また、「基本3情報ダウンロード」画面より、データをダウンロードすることができます。

 

留学エージェントは本当に必要ですか?

オーストラリアやカナダなど海外の語学学校を探す際に、学校選びから申込手続きといった作業を手数料無料でやっていますとアピールしている留学エージェントが多いです。

語学学校の申し込み関しては、申込者から手数料を取らない分、留学エージェントは現地の学校から報酬をもらっています。

留学エージェントに支払われる報酬は、授業料など現地学校に支払う料金に含まれていると考えれば、間接的に手数料を払っていることになります。

高い授業料払って、手数料無料と言われて得した気分になっていても、必ずしもお得とは言えない実態があります。

留学エージェントに支払う報酬のせいで授業料が上がっている?留学エージェントを利用してカナダ留学しようと思っている人に伝えたいこと

留学エージェントを利用してカナダ留学しようと思っている人に伝えたいこと
カナダ留学を検討し始めたとき、ネットでいろいろな情報を探すと思いますが、かなりの確率で留学エージェントのサイトにたどり着いたり、または誘導されると思います。 Youtube/Tik tok/ブログなどで人気がありフォロワーのたくさんいるイン

また、留学やワーホリ手配の手数料は無料でも、他に色々買わされたり手数料を取られていることがあります。

エージェントを利用して、手数料無料で安く留学やワーホリができるかと思ったら、実は自分で手配した方が安かったというのは珍しくない話です。

留学エージェントの中には、手数料無料や手厚いサポートといった謳い文句で客を釣って、捕まえた客に様々な情報を流して、最終的には骨までしゃぶられるような営業攻勢をかける会社があります。

ところが、情報弱者の利用者には、こういった業者が自分の夢をかなえるために一所懸命協力してくれている、または手厚いサポートをしてくれる会社に見えてしまうというのがこの業界の闇です。

留学エージェントを利用して後悔した話は、TikTokやyoutubeなどでもたくさん出ていますのでぜひ見てください。

同時に、ウェブサイト、ブログ、youtubeなどでは、留学やワーホリについてたくさんの情報が出ています。それこそ一人で手続きできる情報が満載です。

多くの方が資金的に厳しい留学やワーホリをしている中で、留学エージェントの経営者たちが左うちわで暮らしていると思うと虚しくないですか。

今回のような不正行為に巻き込まれてしまったら、留学もワーホリもお先真っ暗になりかねません。

留学エージェントの中には、自転車操業のところがあり、お客さん(申込者)が途切れると急に資金繰りが厳しくなることがあります。

留学エージェントが倒産したり、代表者が夜逃げして留学できなくなるような事態もあるため、こういった業者に留学資金を預けている、または現地学校や宿泊施設などへの支払い代行を依頼しているのであれば、急いで返金を要求した方がいいかもしれません。

留学エージェントの不祥事が取り上げられるたびに、ネットでは「語学留学やワーホリの手続きはそんなに難しくないから、自分でやろうよ」といったコメントで溢れます。

このサイトでも留学エージェントのカテゴリーでお話していますが、これから留学やワーホリを考える方は、自分で手続きしませんか?と今一度お伝えしたいと思います。

留学資金を大事に使いませんか?
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