ホームステイの需要が増え、数を揃えるために質の悪いホームステイが存在することは珍しいことではありません。また、ホームステイが商用化され、ボランティ意識が段々無くなってきているところもあります。
夏休みの短期留学などで、学生が増える時期、急いでホームステイを集める際には審査も緩くなり、ちょっと資質に欠ける家庭も数合わせの中に入ってしまうことがあるようです。
ホームステイの需要が増え、ホームステイ料金が上がって、留学生を3~4人持てば、働かないで、ホームステイの収入だけで生活できている家庭もあります。
料金が上がったことに関しては、色々な事情がありますが、現地の話を聞くと、日本人学生に人気あるホームステイの需要の高さがあります。
一部、日本の会社がホームステイを確保しようと札束をばら撒いたことから料金が高騰し始めたと聞くケースもあります。
ホームステイを斡旋する会社では、ホームステイ数を確保するため、現地の家庭に、通常の2~3倍以上という信じられない料金を約束していたケースもありました。
当然、その料金は日本人学生に負担させています。夏休みなど短期留学パックでは、学費、滞在費、航空券等がセットになっていて、ホームステイ自体にいくら払っているのか学生側では分からないこともあります。
こういった事例はあっという間に広がって、各地の語学学校やカレッジでもホームステイの金額を上げようという動きが活発になった時期があります。
結果、ホームステイの料金はどんどん上がっています。数年前に比べて料金が2~3倍になっている地域も珍しくありません。
会社としては、学生の要望に応えようと営業努力で行っているのかもしれませんが、結果として、料金の高騰に繋がり学生の負担を増やしている、質の悪いホームステイ先を増やしていることがあります。
こうなると、交流を目的としたとか、善意のホームステイというのは建前でしかなくなってしまうかもしれません。
本来、ボランティアに近い形でホームステイを受け入れていた頃は、地域にも寄りますが3~4万円程度が相場だったと思いますた(金額は為替相場にも異なります)。
物価が年々上がっているとはいえ、一昔前は食費と光熱費などの実費が貰えれば、他はいらないというホストファミリーが多かったです。
私がカナダ人の友人宅にホームステイさせてもらったときは、当初、食費だけでいいと言われて少ししか支払っていませんでした。
でも、他のホストファミリーからクレームが入って、一家庭だけそんなことをやられたら困るということで、通常の料金を支払うようになったことがあります。
私のホストファミリーは、国際交流を目的で行うホームステイにそんなに高額な料金を取るべきではないといって反論していました。
しかし、ホストファミリーをする以上、カレッジが管理するホームステイ団体のルールに従ってもらうという形で押し切られたそうです。
それでも、私のかけた国際電話代を負担してくれたり、色々なところに連れて行ってくれたりと料金以上のことをしてくれました。
日本で留学生を受け入れているホストファミリーでは、ボランティアで一切お金をもらっていないところがたくさんあることを考えると、アメリカやカナダのホームステイはどんどん商用化されています。
一昔の「ホームステイはすごくよかった」という情報を必ずしも鵜呑みにはできない状況になっています。
多くのホストファミリーは良心的であると思いますが、そうでないケースがあることは想定しておいた方がよいでしょう。
学生側が家族に溶け込もうとする努力はもちろん必要ですが、頑張っても駄目だったというホストファミリーがいることは確かです。
そこで自分の努力が足りないとか、自分の英語力が低いせいだというように気に病まないで、別のホストファミリーへ変えてもらったり、学生寮に移るといった他の選択肢を選んでもよいと思います。
ホームステイの支払いは、月ごとや学期ごと(3~4ヶ月)が基本です。しかし、日本で契約すると1年契約などを選ばされることがあります。こういったケースでは、途中でホームステイをやめたいと思っても違約金などが生じるので、予め規約を確認しておきましょう。