初めて海外へ出て、英語での生活、しかもまだ勉強し始めたばかりの英会話。。。こんな環境で、ホストファミリーと仲良くしなさいというのは無理な話かもしれません。
ホストファミリーが買い物や散歩などに誘ってくれても、疲れてしまって、いつも断ってしまう。このような学生はたくさんいるでしょう。
これは体調にも影響するので無理にとは言えませんが、少し眠いくらいなら、ホストファミリーと一緒に過ごす努力をしましょう。
たとえ10分でもいいので、夕食後に家族と一緒にリビングでテレビを見たり、会話に参加できなくても同じ空間で過ごすことを心がけてみてください。
疲れているときは、ずっとホストファミリーと一緒にいる必要はありません。少ししたら、今日は疲れたから先に寝ますとか、宿題をやるのでといって自分の部屋に行けばよいと思います。
無言で席を外すのは失礼になりますので(何か怒っていると思われたりすることもあるので)、Excuse me, I’m going to bed.(ごめんなさい、私もう寝ます)といったように、必ず一言言ってからその場を離れましょう。
もし、ホストファミリーのお誘いや提案を断るときは、失礼のない理由を上げるとよいでしょう。状況にもよりますが、「No Thanks」、これだけでは丁寧とはいえません。
一例としては、「Thanks, but I need to finish my homework.」(ありがとう、でも宿題を終えないといけないので)といったように簡単な理由をつければ、ホストファミリーは「それなら仕方ないね」と分かってくれるでしょう。
日本語でも同じですが、会話については感情を込めることで同じ文章でも、意味が多少異なってきます。棒読みで感情のない言い方では何を言ってもあまり丁寧には思われないので気を配ってください。
新しいお宅に滞在し始めた当初は、緊張や恥ずかしさも相まって家族と交流しにくい学生がいると思います。
会話が難しいと思っても、「Thank you」と「Excuse me」は何度でも言ってください。
たとえば、食事を出してもらったとき、コップに少しお水を注いでもらったときにでも、「Thank you」と言ってください。
ちょっと席を外すときや狭い廊下で誰かとすれ違う程度でも「Excuse me」と言ってください。日本的な気遣いで、会話の邪魔をしないでこっそり席を外すというのは、逆に失礼なることがありますので気をつけてください。
日本の家族と過ごすときには、何かしてもらうのが当たり前でいちいち「ありがとう」なんて言わないことがあるかもしれません。
しかし、ホストファミリー先では当たり前のマナーであって、こういった些細な言葉のやり取りが気持ちを通じあわせていくことにも繋がります。もちろん、挨拶も忘れないでください。
うちのホストファミリーは私に声をかけてくれない、家族だけで何かをしていて私はいつも一人ぼっち・・・と思っている学生の中には、自分では気がつかないうちに、自らホストファミリーを遠ざけてしまっていることがあります。
自分ではホストファミリーを遠ざけているつもりはなくても、いつも自分の部屋にいる、何か誘っても断るばかりという状況では、ファミリー側が遠慮して声をかけにくくなってしまうでしょう。
家族の会話に入っていくのが難しいと思ったら、最初は学校の教科書をリビングで読んでいるだけでもいいと思います。そのうち、今日はどんな宿題をやっているの?と気にかけてくれたりして、そこから話題が広まることもあります。
学校でやっていることが話題であれば、何とか会話についていけるかもしれません。少なくとも話題作りには困らないですし、思いがけず復習や予習ができたりもします。
大切なのは、家族の一員として何かに参加するといった意志表示です。いつも断ってばかりいると誘ってくれなくなりますし、食事のときだけ顔を合わせる程度では、ファミリーの一員ではなく単なるゲスト=他人になってしまいます。
会話が難しいときには、食事の前後にお手伝いをするといったことでもよいでしょう。お皿を出すといった準備や片付け程度であれば、言葉の壁はそれほどありません。体力があれば、冬の雪かきなどを手伝ったりしてもいいでしょう。
どんな些細な行動でもいいので、単なるゲストではなく、家族の生活に入っていく心構えがあることをファミリーに伝えることでよい関係を少しづつ作っていくことが出来ると思います。
ただし、勝手にモノを使われると嫌がるファミリーもいますので、許可を得ずに掃除機を出してきて掃除をしたり、ファミリーにご馳走しようと勝手に調理器具を使って料理を作ったりというのは控えた方がよいでしょう。
日本人の友達とはよく交流するのに、ホストファミリーとはあまり話をしないというのはよくないでしょう。
一日中慣れない英語の生活で疲れ果ててしまう気持ちは分かります。英語環境の中で日本語で通じ合えるというのは、ストレスの発散になりますし落ち着くことがあります。
でも、ホストファミリー側は、学生自身や日本をもっと知ろうといったように留学生との交流に努力している家庭もあります。
学生だけでなく、ホストファミリー側も仕事や英語の十分に話せない学生との生活に疲れているときがあるのです。
その疲れを押して、寂しくさせてはいけない、家族の一員として生活して欲しいなどと思って、色々考えてくれるホストも多いことを理解して行動したいものです。
ホストファミリーは、自動的に自分の親役や家族役になってくれるわけではありません。日本にいる家族は、何もしなくても愛情を注いでくれたり、何かと世話をしてくれるでしょう。
しかし、ホストファミリーは他人です。そこで人間関係を築いていくには、それなりの行動と努力がいります。もちろん、自分に大きな負担のかかるような頑張りはしなくてもいいです。ちょっとしたことから始めていけば、段々と仲良くなっていけると思います。