留学するには大きな費用がかかりますので、誰でも行けるとは限りません。でも、そこで学ぶことを諦めないで、別の方法を考えてみて欲しいと思います。
海外に行けると思って予定していたものの、親がリストラにあったりして、資金的に留学や進学を断念しなければならないようなことが起きてしまうかもしれません。
ここで単に諦めて自暴自棄になってしまわないで、他に方法がないかじっくり考えてみてください。
日本の大学へ進学する
一旦、留学は保留して日本の大学へ行くことを考えてみてはどうでしょうか。
日本の大学へ行く利点の一つは、自由にアルバイトができることです。
アメリカでは、基本、留学生はバイトはできませんし、カナダでもバイトができるのは正規学部の学生という制限があります。
アルバイトができたとしても、学業に支障が出てないように規則で時間が制限されていたり、英語がつたない状況では賃金の安い職にしか就けない実情もあります。
ただでさえ留学費用は高額なのに、バイトもまともにできないのでは資金面で厳しいです。その点、日本で進学する場合は、自分の頑張りようで収入を増やして資金を稼ぐことができます。
日本では、都心を避けて地方の大学を選んだり、自宅から通うことができれば、さらに生活費の節約も大きくなるでしょう。
留学では渡航費もかなりかかりますし、留学生は現地のアメリカ人学生などより割り増しの授業を払わなくてはなりません。日本で進学する場合は、色々な方法で稼ぐ&節約する道があります。
短大へ進学する
大学進学が難しい場合は、短大を選ぶという選択肢があります。大学に4年間通うのとは違って、その半分の2年間で卒業できるので、大学に比べれば経済的負担が少なくなります。
短大卒業後には、一旦就職をすることになるかもしれませんが、お金を貯めて編入学でアメリカやカナダの大学へ行ける可能性があります。
特にアメリカの大学は編入学が充実していて、日本から多くの短大卒者がアメリカの大学へ編入学しています。
つまり、短大を卒業しておけば、まだ留学の扉は大きく開かれているのです。
実際、短大卒の後、アメリカで2~3年間学ぶことでアメリカの大学を卒業してくる人たちはたくさんいるのです。
専門学校で学ぶ
専門学校では、一部、留学コースがあったり、専門課程に加えて英語を学べる環境が多々あります。
留学をしたいと思っている人の中には、英語が自由に話せるようになることへのあこがれがあるのではないでしょうか。
専門学校で、国際ビジネス・国際観光・翻訳コースなどを選択した上で、英語を継続して学ぶことが可能です。
英語を学んでいれば、海外に行く機会もあるかもしれません。また、留学のチャンスがあれば、英語の準備は万全と思えるのではないでしょうか。
成績優秀者奨学金を得る
奨学金を得ることができれば、日本の大学・短大・専門学校などに通うことができるケースがあるでしょう。
各大学・短大・専門学校には奨学金が用意されており、各家庭の経済状況により入学金の免除、授業料の全額、半額、三分の一など様々な奨学制度があります。
※ここでいう奨学金は、返済義務の無いものです。日本では「貸与奨学金」という変な言葉があって、奨学金といいながら実は学生ローンです。募集等がある場合は、返済義務の有無を間違えないようにしてください。
奨学金は成績優秀者と家庭の経済状況を考慮されるもので、誰でも得られるものではありません。
特に成績が重要視される場合は、自分には無理と思ってしまうかもしれません。
でも、進学先のランクを下げてみると自分にもその可能性が出てくることがあるかもしれません。
ぎりぎりで受かるような大学では、成績優秀者に与えられる奨学金を得るのは難しいでしょう。
そこで、ランクを下げて、自分の学力でも奨学金を得られる大学・短大・専門学校を選ぶという方法があります。これには競争の原理とか公平性の面とかで賛否両論あると思いますが、あくまでも可能性のひとつとして考えてみてください。
自分の実力に見合った大学を選ばずに、ランクの下がる大学に行くという選択は心理的に厳しいかもしれません。
でも、究極の選択で、奨学金を得るか否かが、進学に大きく影響するのであれば、ランクを下げても大学に行った方がいいかもしれません。
ランクを下げる方法が嫌であれば、リスクは高いと思いますが(うまくいかなければ中退もありえる)、努力と実力で勝負することも可能です。
私の友人は、成績上位を常に維持することで、卒業まで授業料がずっと免除されました。もちろん、簡単なことではなく、必死で勉強したそうです。少しでも成績が落ちれば、次の学期からは授業料免除はなくなるからです。
その結果、資金難にも関わらず有名大学を卒業できた上に、当時、就職人気の全国トップ5に入る有名企業に就職できました。資金難でも諦めず進学して、ずっと成績優秀者で奨学金受給を維持したことが評価されたようでした。友人は、普通に学生生活をしていたら、今の就職先には絶対入れなかっただろうと言っていました。
様々な奨学金を探す
奨学金には様々ものがあります。前出の各大学によるものに加え、財団、大使館、都道府県や市町村レベルでも探し見てると奨学金があります。
一つの奨学金では十分でない場合、複数の奨学金に申込んでみることも可能です。
例えば、「大学の奨学金 + 都道府県の奨学金 + 市町村の奨学金」というように、様々な奨学金の可能性を探ってください。
短大や専門学校では、特定の職(看護・保育など)に就くことを条件に、都道府県や市町村レベルで学費の提供を受けることができる可能性があります。
奨学金によっては、他の奨学金との同時申し込みを禁止していることがありますので予め確認してください。
留学用の奨学金は期待が薄い
海外留学で奨学金が得られるケースがありますが、学費全部を負担してくれるような奨学金はとてもハードルが高いです。
全国レベルで特別に優秀な学生数人だけが得られるようなもので、普通に考えると夢を託すには無理があります。
授業料の一部といったような奨学金が結構ありますが、一定の資金があって留学することを決めている方には助けにはなるでしょうが、資金的に厳しい状況では、それだけもらっても全然留学できないです。
アメリカの大学に入った後で、成績優秀者に与えられる奨学金も一部ありますが、学生ビザ申請等の問題でまず入学するだけの資金は絶対に必要です。奨学金をあてにして留学することは、非常に難しいです。
放送大学など通信制大学で単位を取得する
楽しい留学や大学生活を想像していた人には厳しいかもしれませんが、仕事をしながら、通信制大学で学ぶという選択肢があります。
通信教育というと怪しい英会話教材などを思い浮かべてしまうかもしれませんが、ここでご紹介するのは正規の大学教育です。もちろん、卒業資格も得られますので、大卒という肩書きも付きます。
大学レベルの通信教育でよく知られているのは、放送大学です。
システム的に非常に充実しており、ラジオ、テレビ、インターネット、全都道府県に設置された学習センターでも定期的に集まって学ぶことができます。
放送大学では入試が無く(修士課程除く)、自分のペースで学ぶことができます。
4年間で卒業する場合、約70万円(入学金+授業料)で大卒資格を得ることができます(2014年現在)。
通信教育の場合、普通に大学へ通う場合と比べると、とても低予算で大卒資格が得られます。
通信課程の学部は、一般によく知られている大学の中にも数多くあります。
たとえば、慶應義塾大学通信教育課程、早稲田大学eスクール、中央大学通信教育部、法政大学通信教育部、日本大学通信教育部などがあります。
インターネットの進歩により通信教育の発展も目覚しいものがあり、多くの大学でこの分野に力を入れているようです。
通信制大学という特性上、学べる教科が限られることがありますが、大学によって様々な学科が用意されていますので、じっくり調べてみると自分が学びたいものが見つかるかもしれません。
大学によっては、通信教育から試験を経て一般の学部へ転籍できる制度があるので、資金的に余裕が出るチャンスがあれば通学過程へ移ることも可能です。
ソフトバンクが始めたサイバー大学 というIT系に特化した通信制の大学もあります。
Yahoo!を運営するソフトバンクが親会社のため、インターネット技術、情報セキュリティ、ソフトウェア関連などインターネット&コンピューター系に特化しています。
オンデマンドで授業が受けられる(視聴できる)ので、時間と場所を選びません。こういった大学でも、通学不要で学士号取得が可能です。
お金を借りて進学する
お金を借りることを安易に勧めるわけではありませんが、多くの学生がお金を借りて進学していることは事実です。
親がお金を出してくれていると思ったけど、実は親が銀行でローンを組んでいたということは珍しくないでしょう。
私もお金を借りて大学へ行きました。
進学に際してお金を借りることでは、学生支援機構というのが一番知られています。
教育一般貸付(国の教育ローン)を併用している方も多いと思います。
その他には、銀行の教育ローンが数多くあります。
ただし、返済は楽ではありませんので、必要以上に借りないこと、無理の無い返済プランを立てることは大切です。
詳しくは、留学のための返済型奨学金と教員ローンのページを参照してください。
学ぶことを諦めない
このページでご案内した経済的に厳しい状況での進学プランは、留学に限らず、日本国内での進学でも参考にしてもらえるものだと思います。
希望の通りの進学ができないからといってすべてを諦めてしまうのではなく、何か他に方法は無いか考えてみてください。
時には、回り道を考えてみることも必要でしょう。
人より遅れるかもしれませんが、全然気にすることはありません。
大学は通信教育だったけれど、経済的に余裕ができて、大学院へ通うことになることになるかもしれません。
どんな経路でも、大卒や短大卒という資格があれば、海外の学校や大学で学ぶ機会が広がりますし、行きたいと思っていた海外にある会社や研究機関等で働く機会が訪れるかもしれません。
何も学ばず、何の資格も無い状態では、せっかく機会があってもそれを掴むことがとても難しくなります。
進学を諦めない、学ぶことを諦めなければ、様々なチャンスがめぐってくる可能性はきっとあると思います。
参考リンク:
・スタディサプリ進路:大学・短大・専門学校の情報サイトです。昨今は単に大学を出ただけでは就活は厳しくなっています。特定分野のプロフェッショナルになりたい、専門的な技術を身につけたいと考える進学先へ簡単に資料請求ができます。
・マイナビ進学:学校・進路探しを応援する進学情報ポータルサイトです。全国の大学、短大、専門学校の資料請求ができます。専攻、地域、留学、将来やりたい仕事などで幅広く検索することができます。