ニューヨークで、日本人男性が同僚の女性に睡眠導入剤を飲ませ、性的暴行を加えたとして逮捕され、禁錮7年半の判決が下りました。
こちらのニュースは日本人が起こした犯罪ですが、アメリカでは飲み物に睡眠薬などの薬物を入れられて、犯罪に巻き込まれてしまうことが多々あります。特に女性の方は注意してください。
性的暴行で邦人男に禁錮7年半=出張先で同僚に睡眠剤-NY
【ニューヨーク時事】米メディアによると、出張先のニューヨークのホテルで昨年11月、同僚女性に睡眠導入剤を飲ませ、性的暴行を加えたとして強姦(ごうかん)罪などに問われた日本人のユキトシ・マサカツ被告(46)に対し、ニューヨーク州の裁判所は29日、禁錮7年半の判決を言い渡した。時事ドットコムニュース 2018/08/30
Businessman pleads guilty to drugging, raping co-worker at NYC hotel
A Japanese businessman admitted Wednesday to drugging and raping a co-worker at a Times Square hotel — and he’ll get 7 1/2 years in prison for it.
Masakatsu Yukitoshi, 46, copped to first-degree rape, sex abuse and facilitating a sex offense with a controlled substance as part of a plea deal. (New York Post / August 1, 2018)
楽しいパーティーで犯罪に巻き込まれてしまう
ちょっとしたパーティーに招待されて、出されたドリンクを飲んだところ、睡眠薬など薬物が混入されていて、性犯罪の被害者になってしまったというニュースは、アメリカではたくさんあります。
不良の集まりで起こることと思われる人がいますが、大学の学生寮の中で行われる普通のパーティで、被害に遭う学生もいます。
アメリカでパーティーに行くと、女性の多くが自分のドリンクを持ったまま移動したり、時にはグラスを持ったままダンスしていることすらあります。
最初はなんて面倒なことをしているんだろうと思ったのですが、自分の飲み物をテーブルに置いたままにしておくと、薬物を入れられるかもしれないということから気をつけているのです。
飲み物は必ず店員から受け取る
バーなどお店で飲むときは、店員から飲み物を受け取るようにしてください。
初めて会った男性だけではなく、知り合いの男性を含めて、「カクテルを買ってきてあげる」などと言われて、席を立って持ってこられたようなドリンクは飲んではいけないのです。
持ってくる間に、そのカクテルに薬を混入されてしまうかもしれないです。飲み物が欲しいときは、自分でカウンターまで行って店員に直接オーダーして、自分の目の前で作ってもらうのが一番安心です。
ペットボトルの水にドラッグを混入されることがある
日本のカヌー選手が、ライバル選手を貶めるため、ドリンクボトルに禁止成分を含むステロイドを混入させる事件がありました。日本でも、人の飲み物に薬物を入れるということが、珍しくない時代になってくるかもしれません。
カヌー薬物混入、容疑で鈴木選手を書類送検へ
カヌー・スプリント男子の選手が2020年の東京五輪代表入りを争うライバル選手の飲み物に禁止薬物を混入させるなどした問題で、石川県警は27日にも、鈴木康大選手(32)を偽計業務妨害の疑いで金沢地検に書類送検する方針を固めた。起訴を求める「厳重処分」の意見を付ける見通し。捜査関係者への取材でわかった。(読売新聞 2018年07月21日)
アメリカで知り合いの男性にドライブに誘われたとします。ドライブの途中で、喉が乾いたでしょうと言って、ペットボトルの水を渡されたとします。
ペットボトルのフタを開けようとしたときに、「あれ、フタが何か軽い、カチッといわない」と思ったら飲むのをやめましょう。すでに開封されていて、睡眠薬が混入されているかもしれません。
丁寧にフタを開けて渡されることもあります(それはただのフリで、予めフタが開封されている可能性があります)。勘違いして、私のためにわざわざフタを開けてくれるなんて、アメリカ人男性は優しい!と思ったらダメなんです。
フタを開封しなくても薬を混入する方法はあるので、人から飲み物はもらわないようにしましょう。自分で持っていく、または、自分でお店で買うということを徹底してください。
酔い止めなどの薬をもらってはダメ
犯罪に使われる薬は、睡眠薬以外に気分を高揚させるパーティードラッグなどもあります。気分が盛り上がってしまうため、理性がコントロールできなくなるともいわれています。
強いドラッグでは、自分がどこにいるのかさえ分からなくなるものがあります。
ちょっとお酒を飲みすぎてしまって、介抱される中で酔い止めや胃腸薬などの薬を勧められることがあります。
でも、他人から決して薬をもらってはいけません。酔い止めといいつつ、パーティードラッグのことがあるからです。
錠剤を一つ二つ渡されたとして、それが何の薬か一目でわかる人はほとんどいないでしょう。
また、女性が被害に遭うケースでは、必ずしも男性から薬を飲まされるとは限りません。別の女性に介抱されたりして薬をもらうことがあるかもしれませんが、その女性は共犯者の可能性があります。
こういった状況下では、男女関係なく、薬などをもらわない方がよいです。
気分が悪くなったら誰かにすぐ連絡する
気分が悪くなったら、冷静な判断ができる友人にすぐ連絡しましょう。そして、すぐ家に帰りましょう。
薬の効果は早く、のんびり考えている時間はないといわれています。動けなくなりそうなときは、トイレなど鍵のかかる部屋に隠れて、信頼する友人やホストファミリーなど大人に電話をしましょう。もちろん、身の危険を感じたら迷わず警察に連絡してください。
男性の知り合いが家まで送ってくれると言っても、彼が薬を混入させた張本人かもしれませんから、車には乗らないようにしましょう。
アメリカ人だけが危険ではなく、留学生同士でも、こういった犯罪を平気で行う人たちがいます。日本人学生は、比較的、アジア人留学生に気を許しがちですが、そこを巧みに利用されることがあります。
基本的な安全対策として、それほど親しくない人たちが集まるような場所には、必ず信頼のできる友人2~3人と行きましょう。決して一人では行かないでください。そして、自分の飲み物から目を離さないことも大切です。