英検でアメリカと日本の大学を同時に目指すことは可能か?

英検 留学前の英語レベルアップ

アメリカの大学やコミカレ(コミュニティ・カレッジ)に入学するには、英語力を証明するテストの受験が必要になります。代表的なテストは、TOEFLとIELTSです。

しかし、日本の受験英語を学んできた学生が、急にアメリカやイギリス式の英語テストに対応するのは難しいと思います。

そこで、基礎から学べて、公式のテストで自分の実力が判定される、英検から挑戦してみてはどうでしょう。

英検は、アメリカ留学の試験としてマイナーですが、アメリカやカナダの大学やコミカレの一部で認めらるようになってきています。

日本では、推薦・AO入試で、外部検定として英検を採用している大学が多く、日本の受験でも使えます。

高校生の時は、日本の大学に行くのか、アメリカの大学に行くのか、迷う時期があるかもしれません。英検を学んでおくことで、大学進学するときには、どちらにも行けるような選択肢の幅をもたせることができる可能性があります。

基礎から学べる英検

TOEFLやIELTSは、一般に、英語圏の大学やコミカレへ入学するために必要なテストです。日本の高校生や大学生が、なんの前知識もなくこれらのテストを受けても、よい成績を取ることは難しいでしょう。

TOEFLやIELTSは、合否判定があるものではなく、点数で評価されます。大学やコミカレによって、入学には何点以上が必要というように、点数で判断されるテストです。優秀な大学ほど、入学に際して必要になる点数は高くなります。

アメリカ留学したいと思ったものの、TOEFLを受けて撃沈してしまい、自分には留学は無理かなと自信を失ってしまう人がいます。

英検はどうかというと、階級に分かれてテストが受けられて、合否判定が出ます(スコアも出ます)。

5級から始まって,4級,3級,準2級,2級、準1級、1級というようにレベルが上がっていきます。5級は中学入学程度で、3級は高校入学程度です。留学には2級~準1級合格が必要になってくるでしょう。

英検はレベルことに受験できるので、自分の実力が分かりやすく、英語力を伸ばしやすいと思います。

英語が全く苦手ということであれば、低い級から始めて自信をつけながら、徐々に上級に進んでいくことができます。

英検は受験しやすい料金体系

TOEFLの受験料は253ドル(1ドル110円として27,830円)、IELTSは25,380円です。何度も受験するには躊躇してしまう金額です。

英検は、2500円から受験できます。級が上がるごとに徐々に料金が上がりますが、1級でも8400円です。TOEFLと比べたら、受験しやすい料金でしょう。

英検の級と検定料は、下記のとおりです(2018年度)。

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英検の級:検定料
1級 :8,400円
準1級:6,900円
2級 :5,800円
準2級:5,200円
3級 :3,800円
4級 :2,600円
5級 :2,500円
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英検は中学生から始める学生もいますが(英検Jr.は小学生から)、高校に通いながら、無理せずに4~5級から徐々にレベルアップして受験していけば、実力が付きやすいでしょう。そして、苦手な分野を克服しながら、上の級を目指して頑張っていくことができると思います。

英検CSEスコアで細かい採点と実力がわかる

英検では合否判定に加えて、リーディング、リスニング、スピーキングテスト、ライティングのスコアがそれぞれ数値化されるようになっています。

総合点だけでなく、リーディングは510点、リスニングは420点というようにそれぞれのセクションの成績が分かるので、自分で苦手な分野を強化しやすいです。これは、TOEFLやIELTSでも同様で、いわゆる国際基準に倣ったスコアリング方法です。

日本語環境でテストが受けられる

英検は日本の団体が運営しているため、案内や説明は日本語です。例えば、「1~4の中から一つ選び、その番号を解答用紙の所定欄にマークしなさい」というように、問題形式の説明などは日本語です。ただし、準1級からはすべて英語になるようです。

これが、TOEFLを一例にすると、最初から最後まですべて英語です。今まで、普通の高校に通ってきた学生にとって、いきなりすべて英語環境でテストを受けるのは厳しいです。

リスニングの試験を受けていて、極端なケースでは、どこまでが説明で、どこから問題が始まっているのかすら分からない学生もいると思います。

簡単な問題でも、質問文がすべて英語で書かれていると、何をどうすればいいのか、分からないことがあると思います。まずは、英検で少しずつ慣れていって、英語のテスト環境に馴染んでいくのがよいと思います。

TOEFLのようにCBTに移行する英検

2018年8月から、英検はCBTというコンピューターを使ったテストが導入されます(3級、準2級、2級に限る)。

2019年から全国展開されますが、いきなりすべての会場で受験できるわけではないようです。受験できる会場は、英検CBTのサイトで確認してください。

今までは、一次試験合格者が、別の日に二次試験(スピーキング)のテストを受けていました。英検CBTでは、1日で試験が終わるようになります。※一次試験は、リーディング、ライティング、リスニングのテスト。

TOEFLでは、すでにCBT形式を採用しており、英検でもこの形式が導入されることにより、将来、TOEFLを受験する際にも役立つようになるのではないかと思います。

日本の高校・大学に有利に働く英検

英検は、日本の大学入試における学科試験免除、入学金や授業料免除など、 学校によってさまざまな優遇措置を受けられるメリットがあります。

高校や大学に在学中に英検資格を取得すれば、英語科目の単位認定として認められることがあります。また、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)では、英検準2級以上合格者は、英語の試験科目が免除されます。

2020年から、大学入学共通テストの英語で、民間の資格・検定試験が導入されることになっています。英検やTOEFLなどが候補に上がっているようですが、執筆現在、どういった試験になるかは未定です。

新しい試験導入では、マークシート式を廃止して「聞く・話す・読む・書く」の4技能が評価されることになるので、英検は非常に役立ってくると思います。(※マークシート式は2023年度まで使用され民間試験と併用される予定。)

日本とアメリカの大学の併願が可能になる?

英検を取得することで、日本のAO・推薦入学と並行して、アメリカ留学も考えることができるようになると思います。

アメリカ留学で英検がどの程度認められるのかは、コミカレや大学によって異なります。

一般に、コミカレなら英検2級からでも入学可能なところがありますので、コミカレを介して大学に編入するという進学コースでは留学しやすくなるかもしれません。

アメリカの大学入学では、英検準1級以上が必要になってくると思いますが、大学のレベルにもよります。基本、英検だけで大学入学の英語基準をクリアするのは厳しく、有名大学ではほぼ無理と考えておいた方がよいでしょう。

アメリカの大学によって、英検で正規学部へ入学はできないけれど、語学コースの中上級から始められるという優遇措置が取られることがあります。

本来なら、現地で英語テストを受けて語学コースのクラス分けを行うところ、英検のスコアを参考にして該当クラスを決めるため、テストを免除してくれるといったこともあります。

入学を希望するアメリカの大学で、英検が認められないからといって、英検が無意味というわけではありません。

それまでに学んできた英語力は、留学で更に伸ばすことができます。何も準備をせずに留学する学生と比べれば、数ステップ先に進んでいることになるでしょう。

アメリカに行ってから学べばいい?

TOEFLやIELTSは難しすぎるから、アメリカに行ってから、英語は学べばいいという学生が結構いると思います。

しかし、現地に行ってからなんとかすればいいと思っている人たちを横目に、日本でコツコツと学んできた学生は、早々に正規学部に入っていくことになると思います。

アメリカに行く前にしっかり英語を習った方がいい理由
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一昔前に比べて、日本だけでなくアジアの国々で、英語が学びやすい環境が整ってきています。こういった状況の中で、自国にいる間に英語をしっかり学んでいない学生は、アメリカ留学でかなり出遅れてしまうことになります。

英検は学びやすいシステムとしてご紹介しましたが、自分なりに別の教材を選んで学んだり、オンラインの英語コースを取るということでもいいでしょう。

英検に限らず、継続して学べる方法、そして、今を無駄にしない学習方法を選択しておくことをおすすめしたいです。英検は、教材が豊富な上、レベルに分かれたテスト、そしてテストが定期的に行われるので実力が測りやすいです。

英検は、必ずしも留学に結びつくとは限りませんが、英語力のアップにつながることは確かです。英検は日本のテストだから関係ないと思う方もいるかもしれませんが、学びのツールの一つ、または、目標の一つとして学ぶことに適していると考えてみてはどうでしょうか。

英検関連の参考リンクや学びのツール

★★★英検:英検の受験申込み、試験日程、会場紹介、検定料、合否確認、過去問題などが掲載されている英検のオフィシャルサイトです。国内の入試における学科試験免除、入学金や授業料免除、英語単位認定など、優遇措置を受けられる学校や大学が調べられます。また、英検が優遇されている海外の高校や大学のリストが確認できます。

英検ネットドリル英検準1級から5級まで全24種類の教材がまるごと収録されています。タブレットPCやパソコンがあれば、いつでも学ぶことができます。単語にカーソルを当てると英単語の意味が表示される辞書機能をはじめ、 一度間違えた問題を効率よく復習できる弱点チェック機能、リスニングの集中的な訓練、長文読解を素早く身に着けるピンポイントのトレーニングなど英語の総合力アップに役立ちます。

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