留学の一番初めの目的は英語が話せるようになることだと思います。その先は、専門知識を身につけたり、大学や大学院などへ進むことになるでしょう。
留学後の仕事に生かすため、一つの留学目的として、「ビジネスレターを書けるようになってくること」をお勧めしたいです。
コミカレや大学を卒業するという大きな目的に比べると小さいかもしれませんが、ビジネスレターを書けるようになるというのはとても大切なことです。
留学をしてきたのに、職場で「こいつ使えないなあ」と上司から思われる一つの理由に、海外の顧客や会社などと英語でやり取りができないことがあります。
留学してきたから英語ができると思っている人も結構いると思いますが、語学学校で教えてくれる英語や大学で論文を書くための英語とビジネスで使う英語は異なってきます。
日本語でも日常会話とビジネスで使う言葉は、敬語や独特の言い回しなども含めて違いがあります。英語も同じです。
昨今はメールでやり取りすることが多くなっており、英語のライティング・スキルが大切になっていると思います。
相手が目の前にいれば、ある程度はコミュニケーションが取れますが、ビジネスレターやメールとなるとそうもいきません。
日本語でも会社同士でやり取りするには一定の書式があるように、英語にもそれはあります。また、文字数が限られることから、的確にこちらの用件を伝えるといった技術が求められます。
日本の会社に勤めていて、海外の取引先とメールでやり取りする場合は、用件がしっかり伝わらないといつまでたっても問題が解決しないといったことが生じます。
こういったことになると、せっかく留学してきたのに、会社では役に立たない人間扱いされてしまう可能性があります。
私が事業を始めたころ、海外の会社とやり取りをする際、手紙やメールを出してもなかなか返事がもらえないことがありました。
経済学専攻だったので英語の論文はたくさんこなしてきました。英語で文章を書くということには、何の気後れも無かったのですが、ビジネスレターに関しては参考書を見て形式をまねる程度でした。
カナダ人の友人に、「仕事を始めたんだけど、アメリカの会社からの反応が悪くて困っている」と相談して、私が送っている手紙やメールを見てもらったところ、「これじゃ誰も返事くれないよ」と言われてしまいました><。
伝えたいことはわかるけど、ビジネスレターには独特の書き方があって、論文のように難しすぎてもだめだし、カジュアルすぎてもだめだと色々アドバイスをしてくれました。
そこからビジネス・ライティングを学んで新しい書式で色々な会社に送ったところ、返事がガンガン来るようになりました。今からして思えば、ビジネスレターがまともに書けないレベルの会社とは取引したがらないのは当然といえるでしょう。
こういったビジネス・ライティングを学ぶコースが、アメリカ・カナダのカレッジや大学にはたくさんあります。
一般に、Business WritingやBusiness and Technical Writingなどと呼ばれるコースです。Email Writingといったメールに特化したコースもあります。
ライティングコースは、専攻する学部によって必須ではなく、卒業単位に必要のないこともあります。
それでも、卒業後に仕事をするとなれば、身につけていて損のないスキルだと思います。
職場の上司から、「海外の取引先へメールしてくれ」と言われたときに、口語体の適当なメールを送っていたのでは「留学までして、ビジネスメールもまともに出来ないのか」と評価が落ちてしまうでしょう。
語学コースで少し学ぶことがありますが、ほんの一部であって、実際に仕事で使えるほど本格的なものではないと思います。
日本の会社では、ある程度雛形が用意されていて、少し単語を入れ替える程度で海外との業務連絡が済んでしまうことが珍しくありません。
しかし、一旦トラブルが発生したような場合は、担当者のビジネス・ライティング・スキルが必要になってきます。文字で相手と交渉する技でもあります。
ビジネス・ライティングでは、基本の書式や構文に始まり、短い文章でも効果的に意思を伝える方法なども学びます。
時には怒ったフリをする手法も取られますが、もちろん、汚い言葉は出てきません。ビジネスライクに交渉相手の注意をひきつけるといった独特の書き方も学ぶことができるでしょう。
電話や対面でしっかり英語のやり取りが出来ることも大切ですが、インターネット社会となった今では、世界中の会社や人々がメールやSNSでやり取りをしています。
仕事で言うところのコミュニケーション能力には、単に英会話が出来るだけではなく、メールや文章で効果的に意思や用件を伝えるライティング・スキルも大切になってくると思います。
今回は「ビジネス・ライティングを学ぼう」ということでご紹介しましたが、その他にも、エンジニア、テレビ業界、フードライターなど、様々な分野に特化したライティングコースもあります。
大学以外でも、カルチャーセンターや単位無しの夜間コースなども学べることがありますので、仕事で必要になってくると思われる際にはチャレンジしてみてください。
参考リンク: