コミュニティ・カレッジを利用した大学編入学で気をつけたいことに、学期制と単位移行があります。これらを理解しておかないと、順調に大学編入することが難しくなることがあります。
2~4学期制のどれを選択するかによって、留学期間が大きく異なってくることがあります。
語学コースのお話に戻って、学期制を検証します。例えば、語学コースのレベル2から始めた場合を考えてえてみてください。
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1学期目
2学期目
3学期目
4学期目
2学期制のカレッジの場合、年に2学期しかないため、レベル2~5を終了するまでに4学期必要になります。つまり、終了するのに2年間もかかってしまいます。3学期制でも一年半くらい必要になります。
コミュニティ・カレッジは、郊外や地方都市に位置していることが結構あり、学生数が少ないこともあって、総合大学のように年中授業が行われていないことがあります。
田舎のコミュニティ・カレッジの方が日本人が少なく英語が学びやすいという評判を聞いていったものの、2学期制ではいつまで経っても語学コースを終えられないという事態に陥ってしまいます。
コミカレにもよりますが、語学コースを終えた後に高校3年生程度の英語コースを1学期間取らされることがあります。
これは、コミカレの大学編入コースで必須となる英語(大学1年~2年生レベル)を選択するのに、高校卒業程度の英語力、または高校3年生の英語の単位が必要という条件があるためにです。
語学コース終了は、コミカレの正規学部で学べる英語力をつけたことにはなりますが、英語という必須科目を取るには前もって必要な高校英語の単位がないため、取らざるを得なくなります。大学編入コースではなく、職業訓練系や専門コースに進む際には必要ないことがあります。
語学コース終了→高校英語→コミカレ大学編入コースという流れになり、語学コースを終えたと思ったのに、さらにもう1学期、大学の単位にならないコースを取らなければならないことがあります。
語学コースと並行して高校英語を選択することができることがありますが、条件の厳しいところでは、語学コースだけで軽く2年を費やしてしまうことになりかねません。
アメリカの総合大学(カナダでも都市部にある大学)では、4学期制が数多くあります。
特に夏は前期と後期に分かれている場合があり、結果、春(1)、夏(2)、秋(1)、冬(1)、のように5学期制も珍しくありません。
5学期制では、語学コースを短期で終了できたり、大学卒業でも2年半から3年くらいで達成してしまう留学生がたくさんいます。
かなり速いスピードで授業が進みますので、落第する留学生が多いのも事実ですが、授業についていければレベル1から始まったとしても、約1年で正規学部への道が開けます。
英語を自由に使えるようになる前に卒業してしまう学生がいるほどで、短期で学ぶことが必ずしもよいのか分かりませんが、早く終えられることは確かです。
早く語学コースを終えるには、事前に英語力をアップしておくことはもちろんのこと、3~5学期制のコミュニティ・カレッジを選ぶことが望ましいと思います。
編入の単位移行に関しても注意が必要です。
大学編入コースのカルキュラムに従っている限り、同じ州内であれば殆どの単位が認めてもらえるでしょう。
しかし、違う州への編入やカナダからアメリカへの編入については、履修科目が違ったり、教科内容が異なるなどの理由から、多くの単位を失う可能性もありますので注意してください。
編入単位だけでなく、州内で学んでいる学生の編入受入れ枠が大きいことが多いため、できる限り最終的に行きたい大学をまず決めた上で、コミュニティ・カレッジを選択することが大切です。
例えば、バンクーバーにあるUBC(ブリティッシュ・コロンビア大学)へ行きたいと思った場合、ブリティッシュ・コロンビア州内のコミュニティ・カレッジを選ぶことが効率的な編入に繋がると思います。
アメリカでは州内の大学に限らず、コミカレと提携がある大学であれば州外でも問題なく編入できることがありますので、予め確認をしておいた方がよいでしょう。
有名大学によっては、編入学が出来ない、または、1年生から入学するよりも難しくなることがありますので、自分の目指す大学をしっかり調べておいてください。
同じ大学で4年間学べる仲間を持てることも素晴らしいことですので、コミュニティ・カレッジに通わなくても良い状況であれば、迷わず大学に進まれることをオススメします。
授業料が安いなどの理由からコミュニティ・カレッジに通ったものの、そこで成績を落としてしまうと大学への進学が難しくなってしまうこともあります。
大学編入学というのは非常に便利な制度ですが、高い成績を維持しなければならなかったり、せっかくコミュニティ・カレッジで取った単位が大学で認められないといった無駄に繋がることもあります。
行きたい大学をしっかり決めておくこと、その大学に関する編入学制度をじっくり調べて、コミュニティ・カレッジの進学カウンセラーなどと相談しながら計画を立ててください。