留学先の重要性(1)より他人の情報や雑誌等の簡単なキャッチコピーに惑わされない留学先選びについてご案内しています。
4.アクセス・交通手段・医療施設
カナダ・アメリカは広く、日本から現地に行ったり、現地から日本に帰るのが大変な地域もあります。
大概の地域は飛行機でいけますが、便数が少なかったり天候などでよく飛ばない地域もあります。
アクセスが悪いから留学先としてはよくないと言うわけではありませんが、特に持病がある方は緊急時のことも考えておくことも必要かと思います。
都市部であれば、医療環境は整っているといえるので安心感があります。地方では、大きな病院が無いなど医療設備が整っていないところもあります。そのため、緊急時にはヘリなどで都市部の病院に運ばれるケースがあります。
大きな大学では、付属の大学病院があったりして、大学内にクリニックがあるケースが多いです。学生証の提示だけでクリニックが利用できる大学もあり(学費と一緒に保険を支払っているため)、医療面では安心できます。
学校にどうやって通うかというのも大事な問題です。地方都市では、完全な車社会で、バスは1日に2~3本しかない地域もあります。雪の降る地域では、バス停で待っているだけで凍え死にそうな気分になることさえあります。
学生寮に滞在するときはそれほど問題はないと思いますが、ホームステイやアパート滞在予定では、バスや電車といった交通手段などを調べておく必要があります。
ホームステイを利用する際には、現地に行くまでどの家庭に滞在するのかわからないことがありますので、学校までの交通手段は運任せということがあります。
各学校や大学のホームページには、交通手段やアクセス方法について書かれていることが多いので、しっかり読んでおきましょう。
グーグルマップで出発地点と到着地点を選ぶとルートや交通手段を表示してくれるので参考にしてください。
5.学校・大学の大きさ
小さな学校やカレッジでは、親しみやすくみんな知り合いといったアットホーム的な雰囲気があります。
注意点としては、学生数が少ないため取れる科目も少なく、夏などは何も取る科目がないというところもあります。図書館や自習室といった学ぶ環境が整っていなかったり、コンピューターラボといった施設が古くて最新のことが学べないことがあります。
大きなカレッジや大学では、友達が作りにくかったり教授が忙しすぎて交流が少なく、学生番号だけが自分の顔という感じがするときがあるかもしれません。
しかし、学ぶ環境が整っていることが多いと思います。学生数や予算が、学ぶ環境を整えることに重要なファクターとなってきますので、図書館が大きかったり、最新の設備が整っていることがあります。
また、たくさんの科目の中から自分の勉強したいものを取るといった選択の余地があります。大学では、200~300のコースが用意されていることは珍しくなく、小さなカレッジではその10分の1程度ということがあります。夏休み期間にも多くのコースがオファーされ、早く卒業することができる可能性があります。
女性の場合、アメリカには小さいながら教育レベルの高い、またはきめ細かい教育を提供している女子大があるので、考えてみるのも良いでしょう。
6.滞在先
滞在先は、大きく分けて3種類あると思います。ホームステイ、学生寮、アパート(シェアハウス含む)の3つです。
初めて現地に行く際には、ホームステイや学生寮があると便利です。言葉の壁や現地生活に慣れていない時点では、契約の問題も含めて、アパート生活は難しいものです。
現地生活に慣れてから、アパートや一軒家の一部を借りるシェアハウスを選択されてもよいかと思います。日本人が多い都市部では、日系の会社が仲介サービスをしていて、アパートを借りることができるケースがあります。
ホームステイは、基本的に現地の人たちと留学生の交流をはかるためのもので、現地生活や文化に関して教えてくれたり、語学力アップの協力もしてくれることが多いです。
学生寮は、大学の施設内にあることが多く、通学のことを心配する必要がありません。
施設が整った大学では、食事は寮内や大学カフェなどでとることができますので、学業に集中できる環境であると思います。
ホームステイや学生寮は、極端に言えば知らない人たちとの共同生活で、時にはそれがストレスになることもあります。
そこで、ある程度、現地生活になれるとアパートやシェアハウスなどを借りる学生も多くなります。
友人と一緒にアパートを借りれば、費用的にホームステイや学生寮より安くすることができることがあります。自由な生活がおくれるようになることも魅力でしょう。
地方の小さな都市では、アパートはなかなか空き部屋がないことがあります。ホームステイや学生寮の生活に馴染めなくて、でも、滞在先の選択肢がないので、モーテルなどに滞在する学生もいます。
どんな滞在先を希望するのか、そして、それからが留学先で提供されているか予め確認しておくとよいでしょう。
7.大学の専攻
何を学ぶか、これはもっとも重要なところです。
大学の名前だけにつられてしまうと、大学に行ったものの、自分の学びたい専攻がない、あっても施設やコースが充実していないのでは困ります。
カレッジや大学付属の語学学校を選ぶ際にも、自分の専攻したい学科について事前に調べておいた方がよいでしょう。
大学の名前に弱い日本人はこの種の間違いを良く起こしがちです。また、授業料が安いだけで大学を決めてしまったケースもこういった失敗に陥ると思います。
せっかく苦労してカレッジや大学付属の語学クラスを終え、正規学生になったのに、自分の取りたい専攻がなくては困ります。
特に、そのカレッジや大学から卒業しようとしている場合などは、自分の希望する学部がなければ、自分の目的が果たせられないでしょう。
他のカレッジや大学に移るのには様々な試験が必要だったり、また語学クラスを取らされるかもしれません。
これでは時間の無駄になってしまいます。現時点で何を学びたいという希望がない人は仕方がないですが、留学を成功させるには、行き当たりばったりではなく、しっかりとした計画が必要だと思います。
カナダ・アメリカではこれを絶対勉強したいという希望を持っているならば、前もって将来の進学先をじっくり調べておくのが早く卒業する一つの秘訣だと思います。