TOEFLはTest of English as a Foreign Languageの略で、アメリカの教育サービス団体ETSが運営している英語のテストです。
英語を母語としない人を対象にしたテストで、アメリカやカナダといった英語圏のコミカレや大学などの入学に際して、それらの教育機関で学ぶ英語力があるかを判定するテストとして知られています。合否ではなく、スコアで結果が出ます。
TOEFLには、TOEFL iBT、TOEFL ITP(団体向け)、TOEFL Junior、TOEFL Primaryの4種類がありますが、カレッジや大学留学を目指す人達は、通常、TOEFL iBTを受験します。
アメリカ留学、カナダ留学、オーストラリア留学など英語圏の学校・大学に行きたいと思ったら、入学申込みの際にTOEFLのテストスコアの提出を求められます。
TOEFL以外に、IELTSなど他のテストを受付けているところも数多くありますが、アメリカではTOEFLがメジャーなテストと呼べると思います。
カレッジや大学では、このTOEFLのスコアが入学合否に大きく影響します。入学難易度の高い大学ほど、TOEFLで高得点が必要になります。
スコアが低い場合は、大学の正規学部には入学できないので、語学コースに通うことになるというように、TOEFLの結果次第で振り分けが行われます。
日本の大学でも、AO入試や推薦入試でTOEFLが採用されるようになってきており、多くの学生が受験しています。
TOEFLの試験内容
TOEFLには、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションがあります。
リーディングは60~80分、リスニングは60~90分、スピーキングは20分、ライティングは50分というように、なかなか時間のかかるテストです(時間配分は執筆時のもの)。
TOEFL iBT(インターネット版)が主流となっていますが、各セクションの点数は0~30点となり、総合で0~120点の範囲で点数がつけられます。
受験者の平均点は70点くらいといわれていますが、アメリカやカナダの有名大学に入るには、専攻にもよりますが90~100点以上が必要になってくると思います。
大学で提示されている入学基準のTOEFLスコアは、あくまでも基準点(または最低必要な点数)であって、確実に合格できるという点数ではありません。
申込んでくる他の学生との競争で合格を勝ち取るため、大学で提示されているスコアよりさらに上のスコアが必要になることがあります。
また、各セクションで最低20点以上必要というように総合的な英語力が求められており、得意分野だけ点数を伸ばして、総合点を底上しても合格ラインに達しないことがあります。
TOEFLの受験はどうなっているの?
TOEFLは、全国の主要都市で受験が可能です。残念ながら、英検のように受験場所が多くありませんので、多少不便なことがあります。
受験会場では、受験者に1人1台パソコンが割り当てられてテストを受けます。
回答はパソコンに入力する形になります。スピーキングでは、パソコンに自分で発話したものが記録され、ライティングではタイピングで入力します。
日本ではテストといえば筆記試験が多く、コンピューターで受験するというのは慣れないところがあるかもしれません。特にタイピングは、英語で入力することに慣れていないと時間内に書きたいことが入力できないことになってしまいます。
文法や単語など日本人が得意とする暗記系の学習方法で点数が稼げた時代がありましたが、現在は実際に使える英語レベルを測る試験形式になっています。そのため、英語で聞く話すことが苦手な日本人には難しいテストになってきているかもしれません。
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TOEFL受験情報は日本事務局から入手
TOEFLの受験情報は、TOEFL日本事務局であるETS Japanのサイトをご覧になってください。TOEFLの概要、受験日や試験会場、受験料など必要な情報が日本語で掲載されています。
試験を受ける前には、TOEFL受験要綱(Bulletinと呼ばれるもの)が必要になるで、そちらもダウンロードしてください。
TOEFL iBTテストの申込は、試験を行うアメリカ機関であるETSのTOEFLの公式サイトまたはETS Japanに申込ページのリンクがあります。TOEFL受験申込方法の日本語ガイドは、ETS Japanのサイトに掲載されています。
日本での受験料は、執筆現在、235ドル(1ドル110円とすると25,850円)となっています。受験料はどんどん高騰しているので、最新の情報はTOEFL公式サイトで確認してください。※受験する国や時期によって料金が異なることがあります。
TOEFLの受験ガイドと教材
TOEFLの教材はアマゾンなどで購入できますし、mytutorといったTOEFLを専門に扱うオンライン英会話のコースもあります。
TOEFLを運営するETSが出版するオフィシャルガイド「The Official Guide to the TOEFL Test」が、TOEFLの概要を知るには定番です。
問題や解説などすべて英語になりますので、初めて英語系のテストを受けるにはハードルが高いかもしれませんが、やっているうちに慣れてくると思います(慣れるまでやってください^^)。
オフィシャルガイドのように、すべて英語の説明では分かりにくいときは、国内でも参考書がたくさん出ていますのでそちらから利用してみてもよいでしょう。
はじめてのTOEFLテスト完全対策は、旺文社のTOEFL対策書シリーズの一つですが、TOEFLのことがわかりやすく解説されています。
TOEFLを受けずに留学したい
コミカレや大学付属の語学コースからスタートして、それを規定の成績で終了すれば、コミカレや大学にTOEFL無しでも入学できるシステムがあります(このシステムがない大学もあります)。
レベルの高い大学では、付属語学コースのスタンダードが高く、語学コースを終了する方が、TOEFLで高得点を取るより難しいことがあります。
また、語学コースをやっと終了しても、次は大学準備コースに入れられるというように、語学コースのループからなかなか出してもらえない大学もあります。
結局のところ、TOEFLで規定のスコアを取った方が早く正規学部に行けるので、TOEFLを受験する学生もいます。
TOEFLを避けても留学は可能ですが、行きたい大学に行けなかったり、語学コースに手間取ってしまうなどのデメリットもあります。TOEFLのスコアがあれば、進学先の選択肢が広がることは確かです。
TOEFLはアメリカ留学の第一関門
TOEFLは、留学の第一関門のようなテストになりますので、早めに取り掛かって希望するスコアが取れるように挑戦することをおすすめします。
できるだけ早く、大学の正規学部で学びたい学生さんは、留学する2年以上前から準備を始めている人もいます。
TOEFL受験要綱を取り寄せたり、TOEFLの参考書を見たけど全く手につかない、自分には手に負えないというように諦めや拒否反応が出てしまうようであれば、自分にあったレベルから始められる英検を検討してみてはどうでしょう。
アメリカの語学学校や語学コースに通う予定であっても、TOEFLである程度の成績が取れていれば、中級または上級レベルのクラスから始めらることがあります。
また、TOEFLを受けていれば、希望する大学の入学規定スコアに足りなくても、条件付き入学が可能になることもあります。
TOEFLは、単なる英語のテストと思われるかもしれませんが、アメリカの大学生活には必要な要素が詰まったテストでもあります。つまり、このテストのために学習することは、アメリカ留学でも役立つことなのです。
留学のための英語力アップを目指す意味でも、TOEFLも含めて総合的に英語を学んでいってください。
参考リンク:
★ETS TOEFL:TOEFLのオフィシャルサイト。日本語での案内もある。
★ETS Japan:TOEFLテスト日本事務局。TOEFLに関する詳しい情報が日本語で提供されている。TOEFLテスト受験準備教材を販売するオンラインショップもある。
★CIEE:TOEFL日本事務局だったが、2021年6月よりETS Japanに移管された。
★TOEFL iBTトーフルコース :TOEFLで出題される米国の大学教材向け文献(米国歴史、地理学、心理学、科学等)を中心にリーディング、スピーキング、ライティング、リスニングを徹底トレーニングするmytutorオンラインコース。