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アメリカとカナダでのチップ支払い

夏休みやゴールデンウィークなどでアメリカ・カナダに行くという旅行者の方がたくさんいると思います。

 

北米では、レストランなどのサービスに対してチップを支払う習慣があります。日本人はこれに慣れていなくて、お店や従業員に対して失礼になったり、ときにはトラブルになることがあります。

 

 

レストラン

photo credit: Peter Chen

 

 

お店を出るときに従業員の態度が悪かったといって気分を害する日本人観光客の話を聞くことがありますが、よく聞いてみるとチップを払っていなかったり、少ししか出していなかったといったことがあります。

 

これではお店側も気持ちよく、お客さんを送り出してはくれないかもしれません。

 

チップを出さないというのは、マナー違反に近いものになります。また、サービスに満足しなかったという、お店に対する抗議と取られることもあります。

 

 

日本では一般にチップを支払う習慣がないので、現地で戸惑ったり、うっかり忘れてしまうことがあるかもしれませんが、総額の15%~20%くらいをチップとして支払うのが一般的です。

 

以前は、丁寧なサービスに対しての報酬といった意味合いがありましたが、今は支払うのが当たり前、お店側はもらうのが当たり前という風潮があって、サービスの良し悪し関係なくお客さんは支払っていると思います。

 

 

 

チップを忘れてしまう観光客

 

習慣的なことなので、チップを忘れてしまうことがあります。

 

慣れない土地での旅行では、レストランやタクシーの支払いのときは、気持ちが急いでいてチップまで気が回らないことがあります。

 

 

私も久しぶりにカナダに行った際に、チップを忘れてしまったことがあります。

 

お店を出るとき、ウエイターの人にものすごく悲しい顔をされて、「あっ、チップ忘れた!」と思い出したのですが、そのときは急いでいたこともあってスルーしてしまいましたm(_ _)m

 

そのレストランは滞在していたホテル内にあったので、次の日も利用して、「昨日はうっかり忘れてしまってごめんなさい」といって倍のチップを支払ったところ快く受けてくれましたが、余りよい振る舞いではありませんでした。

 

 

北米の観光地では、他の国ではチップの習慣がなくて、観光客がチップを支払ってくれないことを理解しているお店が結構あります。

 

しかし、そういった理解あるお店の対応に甘えているとトラブルに陥ることがあります。

 

観光客になれていないお店では、チップを払ってくれないと、マネージャーや従業員が詰め寄ってきて、「うちのお店に何か問題がありましたか!?」と厳しく聞かれることがあります。

 

 

 

日本の心づけとは異なるチップ

 

日本では、お店や従業員に対しての「お礼や心づけ」のことをチップと表現することがありますが、そこに感覚的なズレがあるのかもしれません。

 

観光ガイドや日本人観光客のブログなどでもチップ=心づけ(感謝の気持ち)という表現になっており、サービスが大したことなければ渡さなくてもよいと勘違いしてしまう人もいます。

 

チップは、お客の気持ち(=お金で換算)という部分もあるのですが、アメリカとカナダではサービス料金に近いもので、基本、必ず支払うものだと思っていた方が無難です。

 

観光地のレストランでは、チップを支払わない観光客(日本人を含む)の対応策として、消費税などと同様に自動的に20%程度のチップを請求に組み入れているところもあります。

 

こういった例からもチップはサービス料金に含まれるといった意味合いが深いことが分かります。

 

 

日本人旅行者がよく立ち寄る観光地のお店では、請求にチップが含まれていることが多くなっています。これを知らないでいると二重にチップを支払ってしまうことになります。

 

日本のツアーで行くようなお店では、日本語で「料金にはチップが含まれています」と書かれていることがありますし、請求書に「Tip」という項目が入っていたらチップが含まれているということになります。

 

Tipという言葉を使わないで、Gratuityといった言い方をするところがあり日本人には分かり難いことがあります。請求書を見て分からない項目があったら聞いてみるとよいでしょう。

 

 

 

 

気軽に渡すことができるチップ

 

日本の「心づけ」のように思ってしまうと、どのタイミングでチップを渡せばいいのか、マナーを気にしすぎて困ってしまう旅行者の方もいるようです。

 

言い方に語弊があるかもしれませんが、年配の方なら子供やお孫さんにお小遣いを上げるようなタイミングと優しい振る舞いが受入れやすいかもしれません。

 

お店では、ウエイトレスさんなど従業員本人に直接渡さないといけないと思って気後れしてしまう方もいるようですが、食事を終えて帰るときにテーブルにそっと置いておくだけでもOKです。

 

タクシーでは、たとえば請求が26ドルだったら30ドル支払って「Keep the change.」(お釣りは結構です)と言って渡すことも出来ます。

 

もちろん、「Thank you」と言って直接本人に渡せばきっと喜んでくれるでしょう。

 

 

ホテルでスーツケースを運んでもらったとか、何かちょっとしたサービスに対しては1~2ドル程度を支払います。

 

アメリカでは1ドル紙幣、カナダでは1ドルまたは2ドルのコインをポケットに忍ばせておくとスマートにチップを渡すことが出来ます。

 

アメリカと違って、カナダは5ドル以下はコインになってしまったので、チップを渡すときにアメリカと比べるとちょっとスマートに見えない気がします。

 

それでもお金はお金ですので、ルーニー(1ドルコイン)を渡しても全く構いません。ただし、10セントや20セント硬貨を何枚もじゃらじゃらと渡すのはマナーとしてよくないです。

 

 

 

 

サービスが悪いからチップを支払わない!?

 

日本人の中には、サービスが良くないから支払わないという人がいるようです。日本のサービスに慣れてしまうと、このレベルのサービスでチップを払うのはどうかと思うときがあります。

 

アメリカやカナダに行くと、日本のサービスと比べて半端なくレベルが低いことが多々あります。

 

それなりに料金の高いレストランでも、日本のファミレスの方がずっとサービス面で優れていると思えることがあります。

 

そして、こんなサービスをしているお店や従業員にチップなんてありえない!ということがたくさんあります。

 

 

サービスレベルに応じてチップを支払うと考えると難しくなってしまうのですが、単純に食事を運んだとか、水やコーヒーを注いでくれたといった基本的なことに対して支払うくらいの気持ちでいた方がよいかもしれません。

 

セルフサービスのお店であれば、自分で席を立って食事や水を持ってこなければなりませんが、それを誰かが代わりにやってくれていると考えるとそれに対するサービス料が必要と分かります。

 

基本的なサービスに加えて、サービスが丁寧であるといったように評価できればチップの割合を増して支払うくらいの気持ちでいた方がよいと思います。

 

ちなみに、ファーストフードやセルフサービスのお店では、基本、チップは支払わなくてもOKです。

 

 

従業員を審査しているマネージャーではないので、このくらいのサービスだったら15%、これくらいなら20%とか考えていると疲れます。特に旅行では、一律で支払うものなんだと思っていた方が気が楽です。

 

全く支払わないと従業員と揉めることがあるので、問題を回避する意味もこめてサービスが悪いときには少なめに支払う人もいます。

 

残念ながら、チップを少なくしても、サービスに対する抗議という意図は伝わらないで、ケチな人と思われるだけかもしれません。

 

一般にアメリカではサービスに満足しなかったときはそれを直接指摘します。日本人の暗に意味するということで、チップの額を減らしても気持ちは伝わり難いと思います。

 

 

チップとは違いますが、日本の居酒屋では、頼んでもいないのに「お通し」が出てきて、勝手に料金が加算されることがあります。

 

海外から日本に来る観光客は、このお通し代を知らなくて、頼んでもいないものをなぜ勝手加えて請求するんだと問題になることがあるそうです。

 

日本人がアメリカでチップが分からなくてトラブルになるように、日本に来る外国人の人も日本独特の制度に戸惑うこともあるようです。

 

 

 

チップに頼っている従業員

 

アメリカやカナダのサービス業では、最低賃金で雇われていて、あとはチップの収入で稼いでいる人がたくさんいます。

 

日本で言えば、「最低賃金プラス出来高」みたいに考えると分かりやすいでしょう。

 

正確に言えば、日本の料金はサービス代金が含まれています。その中で、従業員は接客態度を厳しく指導されたりして、高いサービスレベルを維持しています。

 

 

日本では親切な対応が当たり前のようなところがありますが、アメリカやカナダで優れたサービスをしたらその分の報酬が、お客さんから従業員に直接支払われるというビジネス形態があります。

 

さらに、チップが義務のようになった現代では、雇う側もチップで稼げとばかり、従業員の賃金を少なくしているところも珍しくないそうです。

 

そうなると従業員がチップ獲得に対してシビアになるのは当然でしょう。チップの支払いが悪いからといってお客に怒り出す従業員がいるのもこのためです。

 

 

アメリカのあるダイナーで食事をしていたとき、ウエイトレスの人が支払いを急かしてきて、サービスが悪いなあと思ったことがありました。

 

ところが、私たちが話に夢中になっている様子を見て、そのウエイトレスが「私のシフトが終わってもう帰るので、チップだけもらえませんか?」と言われてやっとその意図が分かったときがあります。このように従業員にとってチップはとっても大事なんです。

 

 

 

学生だからチップを少なく払ってもよい?

 

基本的に学生だからというのは関係ありません。

 

学生時代、チップはいくら払えばいいの?とカナダ人のルームメートに聞いたとき、「学生だから10%くらいでいいよ」と言われたので、暫くの間は大体それくらい払っていました。

 

ところが、その話を別のカナダ人にしたところ、「10%は少ないし、余りよく思われないよ」と言われてちょっとショックでした。

 

聞く人によって、10%~20%というように異なっていました。金銭感覚が人によって異なるのと同様に、このチップの割合についても色々なタイプがありました。

 

 

私は余り計算が得意なほうではないので代金x15%というのが瞬時に出てきません。そこで大体の料金x20%で計算して端数を除いたいりして、チップを換算しています。

 

例えば、食事代が29.85ドルだったら大体30ドルですから、30x20%=$6だから、チップは5~6ドルでよいかなといった感じです。

 

州によっては10%以上の税金が加算されます。少し面倒な計算になりますが、チップは税金分も支払うことはないので、税抜きで計算します。このあたりは細かくなってしまうので、個人の判断にお任せするところでしょう。

 

 

 

 

クレジットカードで支払うときは、チップの額を記入する

 

レストランなどでクレジットカードで支払う場合、お店の人がカード用の請求書を持ってきたときに、一番下にある合計が記入されていないことがあります。

 

日本では合計金額が印字された請求書にサインをしますが、チップが関わる外国では合計を自分で記入することがよくあります。

 

例えば、こんな感じで合計が記載されていません↓

 

PURCHASE(購入金額):$50.00

TIP(チップ):_________

TOTAL(合計):_________

Signature(サイン):_______

 

こういった場合は、チップの金額を書いて、料理代金などの購入金額にそれを足した合計金額を自分で記入して、クレジットカード用のサインをします。

 

分からないからといって合計金額を記入しないで、サインだけ記入してしまうとお店が勝手にチップを加算して、クレジットカード会社に請求してしまうことがあります。

 

海外旅行のクレジットカード利用に関するトラブルには、「違う料金を請求された」とか「身に覚えのない請求でぼったくりだ」といったケースがあります。レストランなどの利用では、こういったチップが勝手に加算されていたケースがあります。

 

クレジットカードで支払った後には、領収書を出してくれるのでその際に金額に間違いがないか、しっかり確認してください。

 

日本人的には、食事代といった必要な金額とチップを分けて清算したい方がいます。お店の格式や雰囲気などにもよりますが、食事代といった必要な金額だけをカードで支払って、チップは現金で支払うことも可能です。

 

ただ、クレジットカードで支払う場合は、チップを加算して払ってくれないと従業員から「お気に召さない点がありましたか?」といったように色々と聞かれて面倒になることがあるので、チップも含めてまとめてカードで支払ってしまった方が楽なことがあります。

 

 

 

 

日本とは違う現地の価値観を考慮する

 

久しぶりにカナダを訪れて、カナダ人の友人数人と食事に行ったことがありました。

 

みんな働いていましたから、学生時代とは違って優雅な気分になれる洒落たレストランに行きました。

 

そのとき、女性の友達が「ここのレストランはすごくサービスがいいね」とみんなに話していました。

 

皆が「そうだね、すごくいいね」と同意している中、私一人が適当な返事をしたため、よい雰囲気を少し壊してしまったことがあります^^;

 

そこで、日本に留学経験のあるカナダ人の友人が、「日本は普通のお店でも、ここよりずっとサービスがいいんだよ」と助け舟を出してくれました。

 

他の友人たちは「え~~っ」という感じで、「日本に行ってみたい!」と言っていました。

 

 

日本のサービスレベルを基準にして、アメリカやカナダでチップを支払おうと思うと「この程度のレベルで?」と抵抗があるかもしれません。

 

チップは、評価や感謝の気持ちを加味することが出来る部分がありますが、現在ではサービス料金と捉えられている面が濃く、従業員の生活を支えているものでもあります。

 

海外旅行に行った際には、その国に見合った価値観と制度の下でチップを考えてみてください。