ネット社会になった現在、IT系企業の人気は非常に高くなっています。Microsoft、Google、Apple、Facebookなど人気のアメリカ企業に入社した人たちはどの大学卒なのかを知ることで、将来の進学先選びの参考にしてみませんか。
ビジネスやネット情報を扱うWIERDに掲載された、有名IT企業に就職している人たちがどの大学の卒業生なのか、それぞれ上位5大学を調べた記事から抜粋してご案内します。
LinkedInというビジネス特化型のSNSに登録している人たちのアカウント(IT系企業に勤める人たちの多くが登録している)から学歴を調べることで統計を出しています。
※2014年の資料です。各企業から出された正確な数値ではありませんので参考程度にご覧ください。
アメリカの有名IT企業に入社している人たちの卒業大学
マイクロソフトは、ワシントン大学の卒業生が圧倒的に多いです(ワシントン大学Foster School of Businessを含む)。他には、ワシントン州立大学、ウエスタン・ワシントン大学、カナダのウォータールー大学が上げられています。約7300人がこれら5大学の出身者です。
ワシントン大学、ワシントン州立大学、ウエスタン・ワシントン大学は、マイクロソフトのお膝下であるワシントン州にある大学です。
マイクロソフトは様々な教育機関に寄付をしていますが、ワシントン大学には際立って巨額の寄付をしており、大学の最新コンピューター施設の建設などに貢献しています。
ウォータールー大学はカナダの大学ですが、アメリカでも優れた理工系の大学として知られています。優秀な人材を求めてMicrosoftやAppleなどアメリカIT企業が、カナダのこの大学にスカウトにやってくるそうです。
マイクロソフトのあるワシントン州レドモンド(シアトル郊外)には、任天堂のアメリカ本社やNTTアメリカなどもあります。ワシントン州はアメリカ北西部にあり、カナダの国境に面していることもあり、カナダの優秀な人材がアメリカ企業に就職することは珍しくありません。
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Googleには、スタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー大学卒が多いです。他には、カーネーギー・メロン大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、マサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業生もいます。約5300人がこれら5大学の出身者です。
Googleはスタンフォード大(大学院)卒のラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏によって創業され、本拠地もカリフォルニアにあるため、地元のスタンフォード、UCバークレー、UCLAなどの卒業生が多いというのもうなずけます。
Appleは、近年ではiPhoneの人気で話題をさらっている会社ですが、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、サンノゼ州立大学卒が多いです。その他の卒業大学には、テキサス大学オースティン校、カリフォルニア・ポリテクニック大学(Cal Poly)があります。約3500人がこれら5大学の出身者です。
IBMは、ニューヨーク州に本社のあるコンピューター関連の大企業です。Bangalore University、University of Pune、Osmania Universityなど卒業大学の上位5位はすべてインドです。インドでは10万人近くが雇われているそうです。アメリカでは、テキサス大学オースティン校卒が多く、1000人ほどいます。
Yahoo!USAは、検索エンジンとしておなじみですが、スタンフォード大学の学生だったジェリー・ヤン氏とデビッド・ファイロ氏によって創業されました。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、サンノゼ州立大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、南カリフォルニア大学が、上位5位に上げられています。約1000人がこれら5大学の出身者です。
Facebookは、ハーバード大学に通っていたマーク・ザッカーバーグ氏とエドゥアルド・サベリン氏によって創業されました。当初はアメリカの学生が交流するためのサイトとして広がり、今ではSNSの代表格の一つとなっています。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、カーネーギー・メロン大学、テキサス大学オースティン校、ウォータールー大学が上位5大学に上げられています。約830人がこれら5大学の出身者です。
Twitterは、ジャック・ドーシー氏とエヴァン・ウィリアムズ氏らによって開発された短文をつぶやくコミュニケーション・サービスです。スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、マサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア大学デービス校が上位5大学に上げられています。約380人がこれら5大学の出身者です。
上記にも何度もでてくるスタンフォード大学ですが、就職ではスタンフォード大卒者は引く手あまたといわれており、初年度の給料は平均で90,000ドル(1ドル100円換算で900万円)、GoogleやFacebookでは1000万円~1500万円をオファーしているともいわれています。
IT企業によっては、さらにボーナスやストックグラント(複数年勤めるといった条件付きの会社株)などで2~3千万円を用意する企業もあるそうです。
一般の大学卒では、10~20年働いてもここまでの年収+ボーナスなどを得るのは難しいので、破格のオファーがきているといえるでしょう。(参照:Daily magazine Slate)
IT系にはカリフォルニア州の大学を選ぶ?
シリコンバレーを代表するように、IT企業がカリフォルニア州に多くあるため、就職に関してもカリフォルニア州にある大学が有利かもしれません。もちろん、アメリカ各地に優れたIT企業は点在しており、どの会社を選ぶかにもよります。
企業が地元の大学に多額の寄付をしたり、産学で共同の研究をするというのが珍しくないアメリカでは、大学のある地区にどんな企業があるのかも知っておいた方がよいでしょう。
多くの学生はインターンや産学共同のプロジェクトなどに参加して経験を積んで、卒業後の就職に繋げていっています。大学に通いながら地元の会社と関わりを持てるというのは、就職には大切なポイントになります。
大学では専門を極めよう
こちらのページでは、有名なIT企業に就職している人たちが、どの大学の卒業生なのかという例をご紹介しました。
リストに登場していた上位大学以外からでもIT企業への就職は可能ですし、絶対これらの大学でなければならないということではありません。また、毎年、優秀な学生だけが選ばれるでしょうから、リストにある大学に行ったからといって就職できるというものでもありません。
アメリカでは、有名大学を出ればいいというものではなく、即戦力になるだけの実力が必要になりますので、IT系企業に入るには、コンピューターサイエンスや情報テクノロジー分野、または、事務系に就くのであればビジネス分野を専攻していることが前提です。
自分の将来つきたい仕事にはどんな専門知識が必要なのかをしっかり調べて、大学と学部選びをしてください。
留学後の進路をしっかり見据える
上記のような就職情報が、留学後の就職や独立について考える機会になってもらえればと思います。
先が見えていないとモチベーションを保つことが難しく、遊びの誘惑などに負けてしまったり、何をしていいのか分からないといった状態に陥りがちです。
目標や行先がはっきり決まっていないときは、遠回りしてしまったり、道に迷ってしまうこともあるでしょう。自分がどういった道を進むのかを示した地図は、きっと必要になってくると思います。
大学卒業も一つの目標ですが、その後のことをしっかり考えておかないと就職活動に乗り遅れたり、極端なケースでは、進学先や専攻を誤るということにもなりかねません。
自分が留学していたときを思い出してみると、目標をもっていた留学生たちは周りに流されることが少なく、ときには人付き合いが悪いなどと言われながらも自分の学びたいことに集中して、最終的には自分の夢に確実に進んでいました。
とりあえず語学力を伸ばして、とりあえず大学に入って、とりあえず卒業してということでは(^^; どこで挫折しても不思議ではないかなと思います。自分の持っている最大限の力も発揮できないかもしれません。
アメリカで就職するにしても日本で就職するにしても、留学を終える頃に「さあ、どうしよう?」と考え始めたのでは遅いことがあります。予め、しっかり計画を立てることも大切だと思います。
目標を立てたものの、計画通りにいかないこともあるかもしれません。誰もが希望した大学に行けるわけではなく、限られた選択肢の中で一番いい方法を考えていかなければならないときがあるでしょう。
一度就職した後でも専門スキルを磨いて、大卒の時点では難しかった自分の希望する企業に転職していく人もいます。一つがダメだったからといって諦めないで、次の機会を狙うことも考えてみてください。